2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530248
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松島 法明 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (80334879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 敏弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70263324)
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Keywords | 技術投資 / 価格差別 / 競争政策 / 寡占市場 |
Research Abstract |
昨年度同様、研究計画に従い、生産技術や技術投資に関連する研究を進めてきた。その中からいくつか紹介する。 昨年度、Discussion Paper (以下、DP)にした「製品差別化と価格差別(価格戦略)の関係を考慮した技術投資に関する研究」を更に検討した。分析対象が、欧州の大型小売店による消費者ごとの価格差別に関する事例と関連性が強いため、考察した理論枠組みと現実との対応関係を考察した上で国際査読誌へ投稿し、2014年1月に論文の掲載が決まった。これとは別に、複占市場における第三級価格差別の経済厚生へ与える効果について考察した論文が国際査読誌に受理された。 Ishida, Matsumura, and Matsushima (2011)の設定を拡張した技術投資に関連する2つの研究が、国際査読誌に掲載された。1つは、複数財生産する現存企業が存在する状況下で、単一の財しか供給しない企業が1社でも市場参入することで経済厚生が損なわれる可能性を明らかにした。もう1つは、企業の費用格差を考慮した企業間合併の問題を分析し、費用水準の格差がある企業間の合併は経済厚生の面で望ましい傾向にあるが、格差が小さい企業間の合併は経済厚生の面で望ましくない傾向にあることを明らかにした。 今年度、新たにDPとして、寡占市場における不当廉売規制が経済厚生へ与える効果について分析した論文 (ISER DP-875)と、現存企業による排他取引契約が生じる経済環境を、川下企業の有する生産技術の観点から考察した論文 (ISER DP-878)を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに研究を遂行した結果をディスカッションペーパーとして発行するとともに、並行して進めている研究が順調に国際査読誌に受理されている。昨年度同様、国際査読誌への公刊論文数は想定していたよりも多いことから、当初の想定以上に進展していると判断していいだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
現行通り、各自の役割を果たして成果を継続して出せるようにする。ここまで順調に進捗しているので、大きな変更をする必要はないと考えている。
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