2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530253
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30346407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会的入院 / 介護保険 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的入院とは、医療の必要性が低いにも関わらず、介護施設や家族の介護力の不足などにより、退院できず入院を継続することである。 先行研究の大半はデータの制約により、全国レベルの社会的入院の長期時系列変化を分析することができない。しかし、畑農(2004)、二木(1995)が用いた『患者調査』(厚生労働省)は全国を対象とし3 年ごとに継続的に調査が行われている。また、標本の代表性も高い。そのため、社会的入院患者数の時系列変化を長期にわたって推計できる可能性がある。 社会的入院患者数の2005 年から2008 年にかけての変化を分析することで、『患者調査』を用いて社会的入院患者数を把握する基準としては、長期入院よりも退院可能性を用いる方が望ましいことを示した。 『患者調査』には医療費に関する情報が無い。そこで、『社会医療診療行為別調査』(厚生 労働省)の個票を用いて社会的入院の費用を推計する。『患者調査』からは、65 歳以上の入院患者数に占める社会的入院患者数の割合が得られる。その割合をα%とする。『社会医療診療行為別調査』からは、医療費を診療実日数で割ることで患者の1 日当り医療費が得られる。社会的入院患者の医療費は、その他の者よりも低いはずなので、65 歳以上の『社会医療診療行為別調査』の標本のうち、1 日当り医療費が下位α%の者を対象に1 日当り医療費の平均値を計算し、それを社会的入院患者の1 日当り医療費とする。年間の社会的入院の費用は、1 日当り医療費に人数と365 を乗じることで求める。、社会的入院の費用推計の結果である。 推計結果は、社会的入院にかかる費用は、2005 年に9,497 億円であったのに対し、2008 年には7,780 億円へと1,717 億円下がった。社会的入院費用の病床別の寄与率内訳は、療養病床が60.9%を占めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病床別に社会的入院の費用を推計する必要があることが判明したため、再度、厚生労働省に指定統計の目的外利用申請を行い、分析を行わなければならないから。
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Strategy for Future Research Activity |
厚生労働省から必要なデータを取得し、推計の精緻化を行う。学会誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
研究の遅延により学会発表ができなかったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表。
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