2013 Fiscal Year Research-status Report
災害・異常気象の頻度・不確実性の増大に対応する順応的管理・対策の経済分析
Project/Area Number |
24530276
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
小谷 浩示 国際大学, 国際関係学研究科, 教授 (80422583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿中 真 国際大学, 国際関係学研究科, 教授 (40421234)
馬奈木 俊介 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (70372456)
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Keywords | 気候変動 / 対策と管理 / 経済 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の二年目を迎え、気候変動・災害・異常気象等のデータを更に収集し分析した。主にアジアを中心とした国々で調査実験を行った。特に度重なるサイクロンが問題となっているバングラディッシュ沿岸地域、気候変動や温暖化が様々な形で影響を与えていると言われているインドネシア・バングラディッシュ内陸部、ネパール山間地域、フィリピンと日本で資源管理とそれに付随する農業生産に着目しデータを収集した。バングラディッシュで行ったサイクロンに対応する順応的資源農業管理に関する調査では、人々の心理的側面に着目した。特に、人々が毎回サイクロンに襲われる際に、どこまで災害対策に対し協力的であるのか、且つ順応的に行動しているかを調査した。インドネシア、バングラディッシュ内陸部とネパール山間地域では、現地の人々が気候変動に対してどのように認識し、またどのように農業生産や資源管理で対応しているのか追跡調査を行った。更に世界的な規模での気候変動の影響を分析するため、フィリピンと日本と貿易している各国の気候データ、資源、農業生産、そして貿易に関するデータを収集し、これらを用い世界の気候が温暖化した場合に、フィリピンの経済成長や貿易、そして日本の経済成長や貿易にどのような影響を与えるのか、現在分析している。一年目の研究を元にして更に二年目はより深く、気候変動と資源管理・農業生産の関連性や因果関係を分析出来ている。上記した現地研究調査とそこから得られたデータ分析により、少なくとも数篇の論文を纏める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アジアを中心とする様々な国で研究費を有効に活用しデータ収集が順調に進んでいる。また今までの所、その結果も興味深いものが多く、最終的には日本との比較検討等が可能となり更なる発展が見込まれる為。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度ではこれまで収集したデータを元にシナリオ分析をする予定である。つまり、どのような対策を講じる事でどの程度経済的に良い影響がもたらされるのか、数理モデル、統計・計量経済分析を応用し明らかにしていく予定である。気候、災害、それらに付随する不確実性も考慮し、人々の行動がどの様なものに影響を受け、どの様な要因がどの様に認識や行動に影響を与えるのかも更に分析を進める予定である。また、纏めとして気候変動やその不確実性に関する日本とアジアの人々の認識・行動と経済的影響の違い等に関しても比較検討を進めて行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査を行う時期が現地の政治不安等によりずれ込んだ事。そして、自身の息子の大病等、様々な事情により当初の計画が履行出来なくなったため。 最終年度は現地調査の仕上げの追跡調査、及び研究の纏め、その為の研究打ち合わせと旅費、また論文校正等に、主に研究の仕上げに必要な諸経費が研究費の主な使用目的になる。
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