2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
後藤 美香 一般財団法人電力中央研究所, 社会経済研究所, 上席研究員 (50371208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 章弘 一般財団法人電力中央研究所, 社会経済研究所, 主任研究員 (90392745)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は,企業や産業におけるエネルギー効率の改善が,経済成長とエネルギー・環境政策の両立のために果たす役割について,定量的な分析に基づき明らかにすることである。そのためには,エネルギー効率の改善要因を探るとともに,それが生産効率や環境効率に及ぼす影響を定量的に分析する必要がある。平成24年度は,本研究の目的に照らし,実証分析の第一段階として,以下のとおり,1.分析のためのデータベースの構築と,2.分析モデルの開発を行った。 1.データベースの構築:わが国の代表的な企業数百社について,エネルギー使用量と環境負荷物質の排出量に関するデータを整備し,財務データとの統合を行った。また都道府県別の産業について,生産活動に要する投入要素やそれによって生み出される生産物のデータに加え,環境負荷物質排出量についてもデータベースに追加した。 2.分析モデルの開発:通常の生産活動における投入要素や生産物に加え,エネルギー使用量や環境負荷物質排出量も生産関連要素として扱うことが可能な,マネジメント・サイエンスの応用手法であるData Envelopment Analysis(DEA)モデルの開発を行うとともに,簡易版データを用いてモデルの実効性に関する検証を行った。また,企業の費用構造特性を分析するための費用関数モデルを構築し,わが国エネルギー企業のデータに基づく実証分析を行った。 これらのデータベース構築とモデル開発は,本研究遂行のための第一段階として不可欠のものであり,次年度以降はこれらを活用することで実証分析を深め,政策へのインプリケーションを検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの構築と分析モデルの開発は予定よりも早いペースで順調に進展している。一方,データに関する一次的な統計分析については若干の遅れがあるものの,次年度以降十分に回復できる程度であり,研究全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に構築したデータベースを使い,企業や地域別産業について,エネルギー効率を表す複数の指標を検討する。また,それら複数の指標の多面的性質を反映した統合指標を開発する。さらに,開発した分析モデルとエネルギー効率指標を用いて,エネルギー効率の改善要因を探るとともに,エネルギー効率の改善が生産効率性や環境効率性に及ぼす影響について定量的に分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度に構築した基本データベースのアップデートと拡張のため,データの追加購入を行うとともに,研究の遂行に必要となる資料や書籍,計算ソフトの購入のため,物品費を使用する。さらに,分析から得られた中間的な研究成果を国内外の複数の学会や研究会・セミナー等で発表するため旅費・その他を使用する。
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Research Products
(13 results)