2013 Fiscal Year Research-status Report
空港・路線の特性を考慮した国内及び国際航空市場の政策評価に関する実証研究
Project/Area Number |
24530288
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大橋 忠宏 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70312478)
|
Keywords | 政策研究 / 航空輸送 |
Research Abstract |
(1)ICAOデータベースを利用した国際航空旅客市場に関するデータ構築と市場特性に関する実証分析 平成25年度の成果の一つは,昨年度から行っていたICAOのOFOD及びTFSを利用した国際航空市場特性検討のためのデータ構築(2010年分)と当該データを利用した国際航空市場特性の実証的検討である.需要関数と供給関数の同時推定の結果,理論モデルで考慮されることの多い輸送密度の経済性(航空路線毎の規模の経済性)について,今回の分析からは統計的に有意な結果は得られなかった.ただし,今回のデータ構築に関して,航空路線の時間や運賃等が体系的に入手可能な日本発着の都市間OD毎にデータ作成を行ったが欠損が多く,ローコストキャリアー(LCC)の参入していると考えられる都市間/路線データは考慮できておらず,国際航空市場特性の検討を進める上で課題がある. (2)国際航空旅客動態調査を利用した国際航空旅客市場に関するデータ構築 成果の2つめは,国土交通省による国際航空旅客動態調査を利用したデータ構築である.(1)で検討したICAOデータ利用による国際航空市場特性検討では,都市間OD/各路線レベルでの市場特性検討を目指していたが,予想以上にデータ欠損が多いことが課題であった.そこで,データが方面別に集約され,都市間/路線レベルでの検討は犠牲とはなるが,データ欠損が少なく,LCCの情報も含まれる国際航空旅客動態調査を活用したデータ構築を進めている.当該データ構築により,今後に計画している国内国際航空旅客輸送を統合した実証的検討が可能となる.なお,データ構築は不完全であり,次年度以降にデータクリーニング等を行ってから推定作業を行うことになる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画で記載した日本発着便を中心とした国際航空旅客市場特性に関する実証研究については,ICAOデータを利用したデータ構築を行い,需給関数の同時推定を通じた市場特性の検討を行い,現在,成果を論文としてまとめているところである.なお,データ欠損についてはある程度は予想されたが,予想以上に大規模であり,代替的データとして国際航空旅客動態調査を利用したデータ構築作業を進めている.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,前述の(2)国際航空旅客動態調査を利用した国際航空旅客市場に関するデータを完成させ,需給関数の同時推定を通じて市場特性の検討を行う.ただし,現在整備している国際航空市場のデータは都市間ODが方面別に集約されており,都市間/路線レベルでの検討は犠牲になる可能性が高く,若干のモデルの修正を行いつつ推定作業を進めていく.これら推定作業が終わった後,前述(1)の結果との比較検討を行う. 国際航空市場に関する検討と並行して,国内航空旅客輸送のデータ構築を進める.国内航空旅客輸送のデータは,国際航空市場のデータと年次をそろえられる最新の国土交通省の幹線旅客純流動調査を利用して行う.
|
Research Products
(2 results)