2014 Fiscal Year Research-status Report
空港・路線の特性を考慮した国内及び国際航空市場の政策評価に関する実証研究
| Project/Area Number |
24530288
|
|---|
| Research Institution | Hirosaki University |
|---|
Principal Investigator |
大橋 忠宏 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70312478)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 政策研究 / 航空輸送 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の成果の一つは，ICAOデータを利用した国際航空旅客市場特性の実証的検討である．H25年度にデータ構築を行い，予備的分析を行った成果を元にさらに検討を行った．需要関数と供給関数の同時推定の結果，理論分析で考慮されることの多い輸送密度の経済性については，統計的に有意ではなかった．この結果は，直感的な予想や国内市場での実証分析結果とは異なる．結果の精査が必要であるがデータ入手に関するデータの偏りによる可能性が否定できない．データや結果に課題は残るが，成果をとりまとめて学会発表や論文として紀要に発表した．
成果の二つ目は国際航空旅客動態調査を基にした日本発着国際航空旅客データセットの作成と予備的分析についてである．国際航空に関する都市間（／路線）のデータとしてはICAOのOFOD，TFSのみであるが，日本国内発着に関しては，方面別に集約されるが国土交通省による国際航空旅客動態調査が利用可能である．ただし，当該データは日本人と外国人，トランジットにわけられており，それぞれのデータの集計方法が異なるので単純には総合化できない．そこで成果の二つ目として，H26年度は，日本人のデータを元に，国際航空市場特性の検討を行った．その結果，輸送密度の経済性に関しては，統計的に有意な結果が得られた．次年度は，日本人，外国人，トランジットを総合化した上での検討が必要となる．
成果の3つめは，国内航空市場（2010年分）のデータ構築である．以前の筆者による国内航空市場特性に関する分析では，鉄道等の代替モードの考慮が必ずしも十分ではなかったという反省から，鉄道等のLOSデータについても作成して，代替モードの影響をより明示的に考慮できるデータを作成して，分析準備を進めている．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画で記載したICAOデータによる国際航空市場特性に関する検討では，需要関数と供給関数の同時推定による分析結果については成果をとりまとめて学会発表を行い，論文としてまとめて紀要に掲載された．
ICAOデータは欠損が多く，代替的方法として国土交通省の国際航空旅客動態調査を利用したデータ構築を行っている最中であり，予備的ではあるものが出国日本人に関して市場特性を検討して学会発表を行っている．
現在は，日本人だけでなく，外国人，トランジットを総合化したデータ構築作業を進めている．さらに，並行して，国内航空市場についてもより代替交通機関の情報を考慮したデータ構築を進めている．
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は，国際航空に関する日本人／外国人／トランジットを総合化したデータを利用して市場特性の検討を進める．さらに，代替交通機関の影響をより明示的に考慮した上で国内航空市場特性について検討を行う．そして，最終的には，国内／国際航空データを総合化した上で，日本を中心とする国内／国際航空市場特性について検討する．
|
