2013 Fiscal Year Research-status Report
多地域・多機関交通ネットワークの規制緩和と構造分離・競争のあり方に関する研究
Project/Area Number |
24530295
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 雄一朗 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (70339919)
|
Keywords | 交通政策 / 国際情報交換 / カナダ / 韓国 |
Research Abstract |
今年度は前年度に引き続いて、広域な複数の交通機関による交通ネットワークにおける産業構造の把握の一貫として(1)航空の産業構造の違いが空港の生産効率性に与える影響の分析、(2)鉄道および航空の環境負荷を考慮した社会的効率性の比較分析、(3)空間計量経済学的手法をもちいた都市間自動車交通の実証分析、および(4)空間計量経済学的手法の応用として経済発展と都市における廃棄物の発生の空間相関の分析、を完成し、これらを国際学術誌に発表、またはディスカッションペーパーのかたちにまとめた。そのほか関連する和文による実績として、自動車交通に関する分析を「道路の所有形態と効率性」(加藤一誠・手塚広一郎編日本交通政策研究会研究双書27、『交通インフラ・ファイナンス』第5章、成山堂書店,2014年3月)および「価格弾力的な需要を持ちかつ混雑する高速道路における社会的最適および次善の政策、民営化、垂直分離の分析」(加藤一誠編『交通インフラの維持管理時代における官と民の役割』第4章、日交研シリーズA-570,2013年6月,公益社団法人 日本交通政策研究会)に、また航空に関する研究を「オープンスカイ協定と経済理論分析」(米崎克彦氏との共著)および「生産効率測定の理論とその空港の生産性ベンチマーキングへの適用」(ともに空港経営と地域研究会編『空港経営と地域』,2013年5月,(財)関西空港調査会)に発表した。また、国際招待講演をInha University (Korea, Feburary 2014)および Regional Conference on Integrating Domestic Industries with Global Production Networks and Supply Chains (jointly organized by Asian Development Bank Institute and Nanyang Technological University, Singapore, May 2013)にて行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度からの課題であった東アジアにおける航空輸送の生産効率性に関する実証分析については、予定どおり中国や韓国からの研究者と協力し、下記の二つの国際学術雑誌(ともに査読有り)への公刊を行った: “Airline Market Structure and Airport Efficiency: Evidence from Northeast Asian Airports (with Hun-Koo Ha, Yulai Wan, and Anming Zhang),” Journal of Air Transport Management, Vol. 33, pp. 32-42, October 2013. “Limitations of DEA-based approach and alternative methods in the measurement and comparison of social efficiency across firms in different transport modes: An empirical study in Japan (with Tae H. Oum and Somchai Pathomsiri),” Transportation Research Part E: Logistics and Transportation Review, Vol. 57, pp. 16-26, October 2013
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、広域交通ネットワークにおける複数の交通機関による戦略的均衡の分析や、その場合の最適やさまざまな次善の政策のあり方については、海外共同研究者と協力しつつ、今年度も理論モデル構築の作業をすすめてゆく。また、インドネシアにおける自動車交通の地理的広がりを空間計量経済学の手法を用いて分析した研究である“Spatial Econometric Analysis of Automobile and Motorcycle Traffic on Indonesian National Roads : Is It Local or Beyond City Boundaries?” (Firman Permana Wandaniとの共著, IDEC Development Policy Discussion Papers Series 3-11, Hiroshima University, Graduate School for International Development and Cooperation, December 2013.) については、国際学術雑誌に投稿済みであるが引き続き公刊にむけた作業をおこなっていく。昨年度ワーキングペーパとしてまとめられた都市圏における土地利用も考慮した最適な社会基盤整備の理論分析である"Optimal Transportation Network in a Closed City under Residential and Absentee Land Ownerships"については、理論分析の追加的な結果をとりまとめ、今年度中に国際学術誌への投稿を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度において研究代表者の所属研究機関が変更されたことに伴い、データベースの整備とこれを用いた分析およびその他の文献整理と一次的な研究実行に従事する研究補助者を含む研究体制の再構築を行ったことにより支出額の変更が生じたため。 今年度については海外研究協力者であるブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のAnming Zhang教授との共同研究に関する研究打ち合わせのための旅費が次年度研究費の使用計画のうちの主な予算項目となる。
|
Research Products
(7 results)