2012 Fiscal Year Research-status Report
日本農業のパレート改善的改革と自由化の必要性に関する数量的検討
Project/Area Number |
24530306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aomori Public College |
Principal Investigator |
河野 秀孝 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (40336425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 寛 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (10381287)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 応用一般均衡モデル / アルゴリズム / 有効桁数 / 計算誤差 / 多倍長精度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在の日本農業のパレート改善的改革と自由化の意義を数量的に検討することであった。国際貿易にかかわる問題は、「実は国際的な問題ではなく、国内の分配問題である」ことは、Ohta and Nakagawa (2008) が明らかにしている。昨今の日本のTPP (Trans-Pacific Partnership Agreement) 参加への是非の問題も、この「国内の分配問題」であることは言うまでもない。 そこで、本研究の目的は、特に農業部門に焦点を当てて、自由化による部門間の経済厚生の上昇と減少を、分配問題も視野に入れて数量的に測定し、昨今のTPPへの参加の是非にかかわる議論に、貢献 しようというものであった。 平成24年度の研究実績は、計画通りの以下の手順によって、小規模応用一般均衡試作モデルの構築をした。1)まず、近年の論文を再検討して、適切な理論モデルの選択。2)次に適切なデータとして、身近な青森県データ考慮し、青森県の小規模社会会計表を構築した。3)そして、一般均衡モデルのパラメータをカリブレーションによって計測し、パラメータの計算誤差の確認をした。4)社会会計表を基に、モデルのプログラムを検証し、4)パラメータの感応度テストによって、モデルの信頼度を確認した。5)最後に、この小規模モデルの応用として、青森県の将来にわたる人口減少問題の経済的効果がどのようなものかを試算した。6)今後、この論文を学会で発表し、本来の大規模モデルの構築に取りかかる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(平成24年度)計画では、小規模応用一般均衡モデルの構築であるので、これは十分達成出来たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は大規模応用一般均衡プロトタイプモデルの構築が目的となる。まず、大規模モデル用のデータを準備すること。次にモデルの高次元化と、それに伴う計算誤差の問題を、数値計算機能を通常の限界である倍精度から、精度の自由な設定が可能な多倍長精度にしたシミュレーションを行う。今後、シミュレーション結果の分析を、学会や年2回ワークショッフで報告する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発された大規模応用一般均衡プロトタイプモデルを洗練する。具体的には、モデルの高次元化と、それに伴う計算誤差の問題に対処するために、出来合いのソフトでは不可能な多倍長精度の計算プログラムを、C言語で独自の開発をする。また、多次元高速計算に対応できるように、最適なハードとソフトを準備するために、部品を厳選して自作のPCを構築する。その自作のハードの性能は現在のPCで実現出来る限界に近いものにする。
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Research Products
(7 results)