2013 Fiscal Year Research-status Report
計画期中国経済への数量経済史アプローチ:改革開放へ向けての制度変化の内生性
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24530310
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 麻保 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (40425004)
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Keywords | 経済政策 / 発展途上国 / 移行経済 / 制度変化 / 中国 |
Research Abstract |
経済主体間での信用取引が、計画経済期(特に後期)から改革開放初期の中国においてどのようになされていたか、またどのような状況下でなされていたかを、当時の現場経験者や学識経験者からヒアリングを行った。同時に、そのような信用取引の数量的把握のために、複数のデータを用いて推計を行った。 そしてそのうえで、経済主体の資源調達状況と経済主体の生産性との関係、社会全体における資源配分の在り方と経済主体の生産性との関係、等を実証的に分析していき、これらの間には一定の関係があることが明らかにされた。また、経済主体の規模等の属性によっても、資源配分における一定の偏りが見られ、それが経済主体の生産性の変動に一定程度の影響を与えているとの知見も得られた。そして、資源配分機能を補完する経済主体間での信用取引は、当時においても企業活動に良好な影響を与えていたことが示唆された。 上述の分析結果を踏まえつつ、同時進行で、特に改革開放初期の中国における信用取引実態に関するヒアリング、資料収集を継続し、実証分析のための仮説の改良等を行っている。 以上の調査・分析結果の一部は、報告、論文執筆のために取りまとめを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地におけるヒアリング調査、データ及び資料収集は当初の計画の通りには進んでいないものの、当初想定していた予備的、代替的計画に基づいて、現地でのヒアリング調査やデータ及び資料収集を進めている。また、それらの収集したデータ・資料の整備も進んでおり、それらを用いた計測、及び仮説の構築、実証分析はすでに開始されている。 それにより、個別経済主体の質的状況の把握、及びマクロ経済の質的・量的状況の把握はすでにデータを用いて実証的解明が一部なされている。 さらに、分析結果の一部をまとめ、学会などでの報告・論文投稿準備に入っている。 以上より、「(2)おおむね順調に進展している」と評価をした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに行った実証分析、現地調査の結果をもとに、さらに仮説を修正・改良していき、マイクロデータを含む複数のデータセットを用いてチェックしていく。その際に、可能な限り、現地調査結果を反映し、同時に明確な視点・枠組みを持つ仮説を構築する。さらにそれをチェックする際には、現在、同研究領域で採用されている標準的な分析手法を用いて検証し、他の研究成果との比較考慮を可能にすることを心がける。 以上を通じて、本研究課題の分析結果の精度を高めていくことを目指す。 そして、遂次分析結果を取りまとめ、公表に向けた準備にとりかかっていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査・資料収集において一部予定したものの入手が行われなかったため、次年度に使用額が生じた。 現地協力者との緊密な連絡を維持し、研究課題遂行に支障がないよう、予定したものが収集できるよう尽力し、成果を出す。
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Research Products
(3 results)