2012 Fiscal Year Research-status Report
日本の企業ネットワークと企業パフォーマンスに関する実証研究
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24530318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
金 榮愨 専修大学, 経済学部, 准教授 (50583811)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業間ネットワーク / 日本の企業グループ / イノベーション / スピルオーバー / 技術的近接性 / 企業間取引関係 |
Research Abstract |
平成24年度の中心的な活動は、幅広い先行研究のサーベイとデータ・ベースの構築でした。近年、企業データによる分析が持つ重要性が認識され、欧米先進国を中心に企業データによる分析が旺盛に行われており、特に北欧の場合、企業に関する大変詳細なデータを利用した先端的な研究が進んでいることが確認できました。日本における企業ネットワークに関する研究のサーベイと利用可能なデータ・ベースの調査によって、いくつかの新たな可能性を見出すこともできました。それによって現時点までの研究とデータ・ベースの構築の推進に加えて分析の範囲を広げることも試みるようになりました。初年度研究の中間結果と現状は以下の通りです。 ①経済産業省が毎年実施している「企業活動基本調査」から企業ネットワークのデータを構築し、日本における企業グループと独立企業のパフォーマンスを分析し、国内及び国際学会、セミナーなどで発表することができました。②経済産業省が毎年実施している「工業統計調査」のデータを用いて、企業内R&Dの効果と企業間の知識スピール・オーバー効果を分析し、ディスカッション・ペーパーにまとめる段階まで来ております。③上場企業間の取引関係に関するデータ・ベースの構築を進めております。④自動車産業の詳細な取引に関するデータ・ベースの構築を進めております。⑤「企業活動基本調査」や「科学技術研究調査」を用いて、日本企業間の技術的近接性(互いにどれほど関連しているか)と商品市場における競合関係に関するデータ・ベースの構築と基礎的分析を進めております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膨大かつ複雑なデータによる分析と新たな視点が必須なため、ほかの研究者との連携が大変重要でした。また、国際ワークショップやセミナーなどの参加者からいただいたコメントは研究の方向性と分析上の新たな視点を得る上で大変有益でした。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の研究は初年度の研究成果をもとに主に以下のことを中心に進めていきます。 ①初年度から続けている文献サーベイを続けます。 ②現在、まとめの段階にある論文の完成度を高め、国際ワークショップで発表し、国際ジャーナルに投稿します。 ③今後の分析のために進めてきた、データベースの構築・精緻化に力を入れ、分析と研究をより進めます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基礎的な作業である文献サーベイ、データの収集、整理および分析などのために予算の約40%を配分し、国内外での研究発表のために40%、その他のために20%を配分する予定です。
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