2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530321
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山村 能郎 明治大学, その他の研究科, 教授 (60284353)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不動産市場 / 不動産開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果をもとに、開発主体が複数存在するマルチプレーヤーモデルを拡張し、費用構造を明示的に取り扱ったモデルを構築した。 ①昨年度までにマルチプレーヤーモデルに拡張した。これまでの不動産市場における複占マモデルでは、開発投資に伴う費用構造が曖昧であったため、本研究では、収入に連動する費用構造(変動費用)を明示的に取り扱っている。不動産開発プロジェクトの固定費・変動費用構造は開発プロジェクトの内容、立地・用地選定に影響を及ぼすため、プロジェクトの特性としてこれらの要因をモデルに取り入れている。具体的には、オフィスマーケットを想定して、収益構造を明示化するために、まず、不動産投資の収益である賃料については空室状況等を考慮する一方、変動費用として管理費、公租公課、保険料、大規模修繕等の資本的支出を考慮したモデルに拡張している。拡張したモデルを用いて、競争政策、固定費・変動費構造とプロジェクト選定基準が開発タイミングに対する影響を考察している。また、本研究では、解析的な分析が困難であるため、数値解析等によって開発の先導者・追随者の構造、開発タイミングへの影響、情報の非対称性による開発への影響を分析できるモデルを構築した。 ②上記①のモデル拡張に伴う数値解析を行うためには、不動産マーケットの価格変動に関する情報が必要となる。しかし、不動産価格や不動産賃料については市場価格ベースでのデータが不十分なため、不動産価格指数を構築した。データについては、東京都不動産鑑定士協会からの情報提供を受け、成果として取りまとめている。
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