2013 Fiscal Year Research-status Report
同一産業内の先発国と後発国間の「競争力逆転」について:らせん形態発展仮説の再検討
Project/Area Number |
24530327
|
Research Institution | Nagaoka University |
Principal Investigator |
權 五景 長岡大学, 経済経営学部, 准教授 (20341993)
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
日本の中間財産業は様々な環境変化の下でも高付加価値を実現することで、日本経済の中心になると、通商白書は述べている。今のところ、素材にしても部品にしても通商白書が指摘したことは間違いではない。しかし、例外も出ていることを注目する必要がある。なぜなら、その例外は雁行形態論もらせん形態発展仮説も否定するものとなるからである。 昨年度は韓国、台湾、アメリカで調査活動(ヒアリング、文献調査)を行ったが、明確に確認できたことがある。①現在の世界は1910-20年代のアメリカのように、大量消費・大量生産の時代であること、②大量消費時代の勝者はハイエンド層をターゲットした企業ではなくフォードに代表されるコモディティ商品を市場に提供する企業であること、③大量生産はモジュール化によって達成されたこと、④IT化はかつての電化並みの革命であること、⑤世界規模で完成品メーカー主導の水平分業が進行していること(EMS企業は台湾に集中しており、日本企業の活躍は目立たない)、⑥モジュール化の進展により部品業界の競争が激しくなっていること、⑦完成品メーカーの交渉力が増していること、⑧韓国企業の大躍進は完成品だけではなく部品部門も顕著であること、⑨それは垂直統合の生産方式、投資時期、投資規模から実現していること、⑩米国経済の世界経済に対する影響力が実に大きいことである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度末のアメリカ訪問(スタンフォード大学、トレド大学)が非常に有意義だった。その理由は、グローバル化、IT化が進んでいる今現在の状況が、これから100年以上前のアメリカの状況と似ていることや、大量消費に応えるために企業は如何にモジュール化に力を入れたかを確認することができたからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
①日韓企業の投資時期、規模を確認すること、②1世紀前のアメリカにおいて大量消費時代後の生産方式がどのように展開されたかを確認すること、③日韓の電機部品企業の競争関係をヒアリングと文献調査を中心に邁進していきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究活動の方向を確認するため、前倒し請求をしアメリカの大学を訪問した。ところで、年度末に日本にいなかったため、精算ができないままだったのである。 既に精算は済んでいる。
|