2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530331
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
春日 教測 甲南大学, 経済学部, 教授 (50363461)
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Keywords | メディア / 情報 / 個人投資家 |
Research Abstract |
本研究の課題のうち、テレビを中心とするメディア(新聞・雑誌・ディスクロージャー情報を含む)から発信される情報が、特に経済指標に与える影響について実証的な証拠を得る論文について検討を行った。 前年度の準備によって、試行的な分析は終了している。具体的には、被説明変数に株式市場の流動性指標である①スプレッドと②デプスを用いた推計を行い、情報流入がスプレッドを拡大させる、取引量も拡大させる、との暫定的な結論を得ているが、その解釈に議論の余地が残っていたため、視聴率データを新規に利用し精緻化を行ったり、TV番組が大きな影響を与えると考えられる中小企業の流動性に限定する等の検討を行い、4学会で発表を行った。現在海外の学術誌に投稿できるよう準備中である。 同時に関連する内容を書籍で発刊する準備を行っている。一つ目は、これまでのメディア市場に関する研究をまとめた書籍の中で「メディアの需要行動」に関する章を設け、情報の受け手に対する影響に関する先行研究を、①新メディアの登場と人々の行動への影響、②メディア報道と株式市場への影響、③特にテレビ報道と利用者行動への影響、と分類した上で整理することとしている。二つ目は、投稿用論文の被説明変数をよりシンプルにし、メディアの報道回数と、価格変化(絶対値)および売買回転率との関係を調べ、より直感的に分かりやすい関係を調べることとしている。両者とも学術的研究であると同時に、幅広い読者層にも読んで理解してもらえるよう、啓蒙的な内容を含む成果をめざしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外のタイプの異なる4学会で研究発表を行い、得られた有益なコメントのうち実施可能なものを論文に取り入れてブラッシュアップできた点で、論文投稿の最終段階にまでたどり着くことができた。 また書籍の1章として本研究を株価に与える影響について検討した結果を刊行できる目安ができたこと、これまでの研究成果をまとめた書籍(共著)の1部として本研究に関連するサーベイと考察を行える目途がついた点で、順調に推移していると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の最終年度にあたるため、「9.研究実績の概要」で述べたように、①実際に海外の学術雑誌へ投稿を行いアクセプトされること、②2種の書籍へ掲載する論文の執筆を行うこと、を達成するべく、着実に作業を積み重ねていく予定である。
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