2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530331
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
春日 教測 甲南大学, 経済学部, 教授 (50363461)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メディア / 情報 / 売買回転率 / クラウド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終実施年度ということもあり、最終成果物のとりまとめと残された課題の整理、および派生的研究課題の掘り起こしを行った。 まず、これまでのネットワーク・メディア市場に関する論文をまとめた書籍を発刊したが、その中に「メディアの需要行動」に関する章を設け、情報の受け手に対する影響に関する論文をサーベイし、経済的側面と非経済的側面(後者の代表的なものとして政治行動が挙げられる)に分けられることを指摘し、本研究は前者に位置づけられることを明確化した。 次にメディアの企業情報報道回数と、価格変化の絶対値および売買回転率との関係を調べ、規模(株式時価総額)をコントロールした推計式で、テレビ報道回数は価格変化率(絶対値)と有意な正の相関を示していること、また売買回転率に有意な正の相関を示していること、等を確認した。また、影響の大きさは企業開示情報変数には劣るものの、新聞報道よりも大きいことを示した。これらは英文雑誌投稿用の市場流動性に与える影響に関する論文の趣旨をより直感的に理解しやすい形で変更したものである。 また今後の社会において想定される情報共有の新しい形としてクラウド産業が挙げられるが、こうしたICT産業における競争評価の在り方について取りまとめた。さらに、クラウド産業の進展が経済成長に与える影響についてもDSGEモデルを用いて分析し、学会発表を行った。
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