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2013 Fiscal Year Research-status Report

台湾をめぐる科学技術人材の国際移動の新潮流に関する実証研究

Research Project

Project/Area Number 24530335
Research InstitutionKyushu Sangyo University

Principal Investigator

中原 裕美子  九州産業大学, 経営学部, 准教授 (40432843)

Keywords国際労働力移動 / 研究開発のグローバル化 / 台湾経済 / 中国経済 / skilled migration
Research Abstract

平成25年度は、台湾における高度人材の国際移動について、以下の観点から研究を行った。
まず、平成24年度に当たった、本研究に関連する先行研究の整理を行った。
次に、現在の台湾における高度人材が不足しているかどうかについて、台湾の政府機関が発行している各種データを用いて検証を行った。その結果、不足していることが明らかになった。
また、台湾における、頭脳流出の程度や、海外高度人材を引きつける誘因に関して、諸外国との比較を行った。その結果、頭脳流出の程度は他の新興国と比較して大きく、また、海外高度人材を引きつける誘因は、他の新興国と比較して小さいことが明らかになった。
そして、台湾における、海外高度人材を受け入れる際の政策的なハードルに関する調査を行った。これは、「労働市場テスト」(多くの先進国が課している、企業が外国人を雇用する際、国内では雇用不可能であったことの証明を求める制度)、「割り当て」(年間に出す海外高度人材へのビザの割当数)、「職業リスト」(政府が労使と協議して「人手不足」と認定された職業のリスト)、「最低賃金」(海外高度人材の受け入れの際の最低賃金を政府が定めているか)などである。この調査の結果、台湾は、先進国のようなハードルを課しておらず、政策的には海外高度人材に対しかなりの程度門戸が開かれていることが明らかになった。
つまり、海外高度人材に対し、政策的に門戸が開かれていても、引きつける誘因が小さいという状況になっていることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、3年間の期間中に、現在の諸外国から台湾への科学技術人材の移動、および台湾から中国への科学技術人材の流出について分析し、2010年代の台湾をめぐる新たな人材移動の潮流を描き出し、加えて「後発国から後発国へ」という新しい移動の類型を明らかにすることを目的としていた。
その目標は、現段階では、概ね予定通りに進展している。
そのように考えられる理由としては、本研究に関連する先行研究のレビューを一通り終えられたこと、台湾における頭脳流出の程度や、海外高度人材を引きつける誘因に関して、諸外国との比較の調査や、海外高度人材を受け入れる際の政策的なハードルに関する調査もほぼ済んだことが挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

最終年度となる平成26年度は、これまでの研究の集大成を行う。
これまでに行った、先行研究の整理や、頭脳流出の程度、海外高度人材を引きつける誘因、政策的なハードルに関する調査結果を用い、現在の諸外国から台湾への科学技術人材の移動、および台湾から中国への科学技術人材の流出について分析し、2010年代の台湾をめぐる新たな人材移動の潮流を描き出し、加えて「後発国から後発国へ」という新しい移動の類型を明らかにする所存である。
とりわけ、台湾で、海外高度人材に対し、政策的に門戸が開かれていても、引きつける誘因が小さいという、平成25年度の研究で明らかになった矛盾点の解明を、最重要課題としたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度から、平成19年度~21年度の科研基盤研究B(「IT人材の国際移動がアジアのIT産業発展に及ぼす影響の地域比較」研究課題番号:19330091)の研究グループの後続研究会として発足した、京都の龍谷大学の夏目啓二先生主催の「グローバルICT研究会」に参加することになり、この研究会は、本科研のテーマと大変関連が深いため、2ヶ月に1度京都にて開催されるこの研究会に参加するための出張旅費を本科研にて支出する予定であった。
しかしこの出張旅費を龍谷大学社会科学研究所から支出いただけることになったため、不要となった。
これまでに行った、先行研究の整理や、頭脳流出の程度、海外高度人材を引きつける誘因、政策的なハードルに関する調査結果を用い、現在の諸外国から台湾への科学技術人材の移動、および台湾から中国への科学技術人材の流出について分析し、2010年代の台湾をめぐる新たな人材移動の潮流を描き出し、加えて「後発国から後発国へ」という新しい移動の類型を明らかにする。
とりわけ、台湾で、海外高度人材に対し、政策的に門戸が開かれていても、引きつける誘因が小さいという、平成25年度の研究で明らかになった矛盾点の解明を、最重要課題とする。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Journal Article] 台湾ODM企業の現在の展開と今後の課題2014

    • Author(s)
      中原裕美子
    • Journal Title

      アジア経営研究

      Volume: 20 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 鴻海精密工業―世界最大のEMS の強みと危うさ

    • Author(s)
      中原裕美子
    • Organizer
      日本比較経営学会第38回全国大会
    • Place of Presentation
      鹿児島国際大学
    • Invited
  • [Presentation] 台湾EMS・ODM企業の現在

    • Author(s)
      中原裕美子
    • Organizer
      アジア経営学会第20回全国大会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Invited
  • [Presentation] 台湾ODM企業の現在―自社ブランドへの挑戦―

    • Author(s)
      中原裕美子
    • Organizer
      第4回グローバルICT研究会
    • Place of Presentation
      龍谷大学
  • [Presentation] 台湾ODM企業の現在の展開と今後の課題

    • Author(s)
      中原裕美子
    • Organizer
      亜細亜大学・国士舘大学・九州大学3大学連携 第7回東アジア経済ワークショップ
    • Place of Presentation
      九州大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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