2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530365
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
田端 克至 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 教授 (40277702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 有一郎 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30245162)
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Keywords | 不動産 / 日本経済 / DSGE / 金融 / アジア |
Research Abstract |
究者は、24年6月28日~7月1日の期間で、国際学会(アジア不動産学会)を主催した(京都大学)。参加者は、日本を含むアジア諸国の研究者に加えて、米国、および、アジア開発銀行(ADB)等の国際機関等からの実務家、研究者であった。本国際学会では、日本銀行岩田副総裁および三井不動産岩沙会長の基調演説も行われ、実務と研究との実践的な交流を行った。不動産のアカデミーな研究コンファレンスが、日本で挙行されたのは10年ぶりとのことで、今後の国際的な研究交流の活発化が期待される。 本国際コンファレンスにて、本研究成果を踏まえて、日本の不動産価格と経済発展について、研究発表を行った。具体的には、「ルイスターニングポイントと日本経済」というワーキングペーパーレベルの論文を作成し、公表した。本論文の趣旨は、日本が不動産取引で経験したことが、アジアにも基本的に当てはまるという問題提起である。これを状態空間の手法を用いた先端的なモデル分析によって、論じている。その分析を踏まえて、アジアにおける不動産価格の高騰が、資本蓄積に影響し、経済成長の下方屈折を引き起こしかねないというものである。 本国際学会での分析を発展させるため、田端・川口は、欧州の研究者との研究交流を図った。特に、イタリアミラノ郊外にあるEUの金融の先端研究所にして、先端的な分析手法を収得し、その分析手法を用いた議論の発展ができないか、検討に入っている。 さらに、研究者はアジア地域の経済発展と不動産等の資産取引の関係について、英文でのテキストを作成中である。アジアにおいて、不動産取引と経済との連動性に関するコアとなる基本書が少ない。本テキストが完成すれば、今後の研究の基点になる国際レベルの基本所になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
際学会の開催と成功など、おおむね順調に推移している。ただ、研究論文の取りまとめについては、分析手法等で野心的な試みを採用しているため、作成論文の投稿とJOURNALへの採用が決まっていない。本年度は、この点に注力していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、昨年作成したワーキングペーパーの分析レベルを上げ、ジャーナル誌への投稿を急ぎたい。そのために、分析ツールのさらなるアップに取り組む。当面、論文の修正である。不動産価格のような非線形で表現される価格のモデル化を図るため、ベイズ等の先端的分析手法を用いた内容にレベルアップする。 さらに、基本書の作成も並行して作業を進めたい。原稿はほぼ出来上がっており、少なくても、出版社に初版のゲラを渡す段階にまでを、必ず実行したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年予定していた欧州での研究発表、意見交換を実施し、当該年度の予定をほぼ順調に達成した。その際、予定していた国際的な研究者との交流時に支払うことで、欧州の先端金融研究者からの専門的知識の提供を受けることを想定していた。しかし、先方機関の好意により、ほぼ無料で実施できたことが影響しているものと思われる。 残金約11万7千円が発生した。当該年度には、次年度に繰り越し、さらに研究の高度化を図る上で必要な計算力のあるPCの購入にあてる予定にしている。 本残金を加えて、XP対応パソコンとなっているPCの買い替えを実施することを予定している。買い替えには、PCの計算能力を向上させ研究効率を上げるため、この残金を加えることで比較的計算容量の大きなPCの購入を予定している。
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Research Products
(2 results)