2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530365
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
田端 克至 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 教授 (40277702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 有一郎 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30245162)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不動産取引 / DSGE / 長期停滞論 / 金融アクセレレーター / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 欧米(英国・イタリア・米国) / アジア(香港・韓国・ミヤンマー) |
Outline of Annual Research Achievements |
住宅等、不動産価格の形成メカニズムと金融について、2014年9月に本研究者は、東大、MIT、香港市大の研究者を招いて、研究セミナーを実施した。発表内容は、2013年夏の欧州出張にて、欧米研究者と意見交換した長期不動産価格モデルの修正バージョンについてである。この研究は、長期(100年前後)の不動産価格形成と、経済発展、特に、金融発展との関連性を理論モデルを構築して議論することにある。コンファレンスでは一定の評価を得る一方、経済モデルの基礎となるモデルの安定性などについて、疑義が提示された。現在、こうした指摘を踏まえ、引き続き改善を図っている。本研究の3年間、試行錯誤は続いているが、長期モデルの完成には、さらに若干の時間と多面的な議論が必要な状況である。 こうした研究の一進一退の進捗の中で、我々の研究は副産物的成果論文を生んでいる。例えば、アベノミクスの不動産価格に与える効果、および、不動産取引と経済格差の問題についても研究ツールを応用した成果がえられた。この研究では、米国のクルーグマン教授やエガートソン教授などが提唱する、長期停滞論の議論を組み入れた不動産価格形成モデルが開発されている。さらに最近では、日本の投資家のリスク許容度の変化を組み入れた、資産価格形成モデルに議論を拡張している。こうした研究成果は、日本不動産ファイナンス学会(2015年1月)で公開した。さらに、その修正版を韓国金融学会(日本金融学会との学会交流)で公開することになっている(2015年6月)。 研究成果の公開について、共同研究者である川口は、「不動産マーケットの明日を読む(2015年5月発行)」を公刊した。この内容は、三菱UFJ信託銀行不動産部の実務家の意見を取り入れながら、本研究で取得した知見を反映し学際的な色彩のものである。極力、平易な表現を使って、本研究のエッセンスを伝える内容となっている。
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Remarks |
田端の個人HPに、研究成果をリンクさせた。 さらに、研究成果の一部は二松学舎大学のHPにディスカッションペーパーとして公開している。
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