2013 Fiscal Year Research-status Report
フランス語圏の植民化・脱植民化-経済システムの危機と再編-
Project/Area Number |
24530384
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高井 哲彦 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80312338)
|
Keywords | フランス植民地帝国 / 植民化・脱植民化 / 商工会議所 / 鉱業資源 / 国際研究者交流・フランス / 国際研究者交流・南アフリカ / 国際研究者交流・カナダ / 国際研究者交流・コンゴ民主共和国 |
Research Abstract |
■本年度は、フランス語圏経済の植民化と脱植民化を研究する第2段階である。資料収集・整理を継続すると同時に、研究者交流・研究発表も重視した。 ■フランス語圏については、経営史・組織史の方法論に力点を置いた。フランス社会科学高等研究院への訪問、仏語圏研究に強いカナダ・ヨーク大学からの招聘を通じて、国際研究者交流や情報交換を行った。その成果は、日仏経営学会全国大会および北大史学会大会での研究発表、そして『日仏経営学会誌』での翻訳論文に結実した。経営資料論・経営史方法論の延長として、『企業史料協議会ニューズレター』への寄稿、社会経済史学会北海道部会等での書評会、そして2014年度の日仏経営学会全国大会の主催にも至った。 ■植民化・脱植民化・経済システムについては、とくにフランス語圏アフリカにおける植民地商工会議所に重点を置いた。英国でのAssociation of Business Historians、アジア政経学会全国大会、政治経済学・経済史学会全国大会、北大アフリカ研究会で研究発表した。アフリカの経営史は、日本はもちろん世界でも研究蓄積が少なく、ネットワーク形成には長期的計画が必要である。が、英国で南アフリカ人研究者と交流した成果として、2014年度に4th European Congress on World and Global History (Paris)でアフリカ経営史部会を共同組織することに成功した。 ■コンゴ事例を担当するコンゴ人研究協力者は、5th International Toxicology Symposium in Africa (Ghana)やサステナビリティ学生研究ポスターコンテストで研究発表した。研究代表者とも北大アフリカ研究会で共同研究を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
■2013年1月のアルジェリア人質拘束事件で日本人が殺害された。それ以来、本研究の対象領域としているアルジェリア・チュニジアには外務省から警報が出ている。そこでアフリカでの出張調査を、欧州出張による資料収集や研究者交流に切り替えた。 ■現地1次資料の収集計画は修正を余儀なくされたが、手持ちの1次資料や取り寄せ可能な2次資料、欧米・アフリカの国際研究者交流・情報交換により、方法論の検討に重点を置いた。 ■コンゴ人研究協力者の研究対象とするコンゴも、外務省から警報が出ている。が、ガーナで国際学会報告の機会を与えられたため、コンゴでの出張調査に代えて国際情報交換を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
■仏語圏・植民化・脱植民化・経済システムについて、資料・文献・方法論のデータベースを作る。 ■2014年9月の4th European Congress on World and Global History(パリ)で、南アフリカ等のアフリカ研究者とアフリカ経営史部会を組織し、共同研究成果を報告することによって、研究ネットワークを作る。2014年5月に主催する日仏経営学会全国大会でも、方法論上の情報交換を期待する。そして、報告や雑誌投稿、ディスカッションペーパーによる研究成果の発表を目指す。 ■ただし、本研究が対象とするアフリカは、外務省危険情報が発令されている。それが解けるまでは海外調査先を切り変えたり、共同研究者の研究分担を変えたり、研究計画を微修正する可能性がある。
|
Research Products
(13 results)