2013 Fiscal Year Research-status Report
戦前日本の株式所有構造と企業統治:1890~1945年
Project/Area Number |
24530409
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Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
齊藤 直 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (90350412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 英昭 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (60182028)
結城 武延 秀明大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (80613679)
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Keywords | 経済史 / 経営史 / 金融史 / 企業金融 / 企業統治 / 株式市場 / 株主総会 / 取締役会 |
Research Abstract |
本研究は、戦前木日本の企業金融と企業統治について、しばしば「株主主権的」と評価される企業システムが果たした役割を解明するという視点から分析することを課題としている。また、方法論的には、(1)マイクロレベル(企業レベル)の企業財務データベースと資本異動・株式所有構造データベースを構築し、(2)それを用いて、戦前日本における企業システムに関する分析を、歴史研究者と応用経済学者が共同で行うことを目指している。 平成25年度は、研究プロジェクト(3年間)の2年目にあたり、(1)データベース構築の面においては、(1-a)企業財務データベース構築作業の完了・チェック作業の推進と、(1-b)資本異動・株式所有構造データベースの完成を目指し、(2)企業システムの歴史分析・経済分析については、研究会などによるメンバー間の討議を行いながら暫定的な分析を進めるとともに、進捗の早い部分について段階的に成果を公表する準備を進めることを目標とした。 平成25年度を終えた段階の成果として、(1)データベース構築の面においては、(1-a)企業財務データベースの構築作業を完了するとともに、計量分析に利用するうえで必要になる決算期チェックなどの作業を終え、(1-b)資本異動・株式所有構造データベースについては暫定的な分析を行うことが可能な段階に到達した。両データベースを公表可能な状態にすることが次の課題となる。また、(2)企業システムの歴史分析・経済分析については、定期的な研究会の開催し、相互の研究報告により、各自の研究の質を高めることを目指すとともに、各自が担当テーマに関する論稿を公刊した。また、平成26年度の経営史学会全国大会において本課題の成果を公表するパネル報告を行うことを決めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は研究プロジェクト(3年間)の2年目にあたり、、(1)データベース構築の面においては、(1-a)企業財務データベース構築作業の完了・チェック作業の推進と、(1-b)資本異動・株式所有構造データベースの完成を目指し、(2)企業システムの歴史分析・経済分析については、研究会などによるメンバー間の討議を行いながら暫定的な分析を進めるとともに、進捗の早い部分について段階的に成果を公表する準備を進めることを具体的な目標とした。 このうち、(1)については企業財務データベース構築作業が完了するとともに、チェック作業も一定の進捗状況に達し、資本異動・株式所有構造データベースについても暫定的な分析に耐える水準にまでは到達している。前年度の総括において、資本異動・株式所有構造データベースの構築作業がやや遅れていると自己評価したが、平成24年度中に挽回し、おおむね当初の予定通りの進捗状況になったといえる。 また、(2)については、研究分担者がそれぞれ担当テーマごとの論稿を発表することができ、2年目としてはおおむね順調な進捗状況にあるといえる。 以上の進捗状況を総合的に評価して、当初掲げた「研究の目的」の達成に向けて、概ね順調に進展していると評価し得る。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本研究プロジェクトの最終年度にあたることから、研究成果の取りまとめと公表に向けた作業を進めることが最大の目標となる。 データベース構築作業については、両データベース(企業財務データベース、資本異動・株式所有構造データベース)を公表可能な状態にすることが具体的な目標になる。 研究成果の発表の場としては、経営史学会全国大会(9月、文京学院大学)で研究代表者(齊藤)、研究分担者(宮島、結城)を中心としてパネル報告を行うことが決定しており、この報告に向けて準備を進めていくことが平成26年度前半の具体的な課題となる。また、これ以外にも研究代表者、研究分担者が国内外の学会、コンファレンスなどでの報告を予定している。 上記の研究報告に向けた準備と並行して、研究成果を公刊するための準備も進める。経済史・経営史分野の学術誌に研究論文を投稿する準備を進めるほか、研究会に参加してもらっている応用経済学者との共著により、応用経済学的な論文を英語で執筆し、海外の学術誌への投稿を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の宮島英昭(早稲田大学)の残金94297円は、データベースの構築およびチェック作業を担当していたアルバイトが、体調不良等の事情により予定していた作業時間を消化しきれなかったことによるものである。 研究分担者の結城武延(秀明大学)の残金13円は端数である。 平成25年度に予定していた使途と同じく、早稲田大学におけるデータベースの構築およびチェック作業を担当するアルバイトの人件費に充当する。平成26年度のできるだけ早い段階で消化することを予定している。
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Research Products
(7 results)