2012 Fiscal Year Research-status Report
IT投資効果向上に関する研究―組織の状況・状態・変革プロセスからのアプローチ
Project/Area Number |
24530425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
飯塚 佳代 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (80433861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 道子 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (30469598)
工藤 周平 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (60549153)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | IT投資効果 / 事業とITの整合 / 企業情報システム |
Research Abstract |
平成24年度については、平成23年度までの準備フェーズにて構築したBITA-BPRモデルの概要モデル第1版をもとに、アンケート実施に向けてIT導入効果に関する要素的な構造仮説のための調査と既存データを用いた予備分析を行った。既存のデータは過去に実施したアンケートのデータや業界団体から借り受けたデータを用いた。 ①事業とITの整合性(「状況」)の部分(BITAモデル)に関しては企業への適用分析や整合性を実現する要素についての仮説を構築し、既存データを用いた分析を行った。 ②「状況」タイプごとの「変革プロセス」のタスクを効果的に行うための要素については、組織のタイプの違いと実施タスクの組合せによる導入効果の違いについてや、組織間の調整に関する項目などを対象に、既存データを用いた分析と考察を行った。 ③いくつかの過去からの既存の欧米のIT導入モデル(技術受容モデルなど)の文献調査行い、それらのフレームワークの日本企業へのあてはめ(既存データを用いた分析)も行った。 これらの結果について、それぞれ本研究題目の中間成果として国際会議で発表を行った。また、当初予定していた研究協力者以外の有識者や、業界団体などとの意見交換も行い、助言をいただいた京都大学経営管理大学院の末松千尋教授には連携研究者に加わっていただいた。 これらの活動から得られた内容を、より詳細に調査することが必要と思われる内容などをアンケート項目に盛り込み、ブラッシュアップした統合モデルをベースに調査・分析することで、「状況」「状態」「変革」の関係とそれらによるIT投資効果向上のためのモデルの向上につなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備調査の進捗状況については予定どおりで、発表件数に関しては当初予定して件数をこなせている。アンケート送付先の名簿購入については、当初平成24年度に予定していたが、転勤が多い時期などを考慮して、25年度に購入するよう変更したが、アンケート実施は予定どおり平成25年度であり、おおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度については、第1フェーズにて実施した事業とITの整合性(「状況」)の部分(BITAモデル)の企業への適用事例分析を本研究で提案するBITA-BPRモデルに反映させ、また、第1フェーズで構築し、予備調査を行った「状況」タイプによる適した「変革プロセス」のタスク(要素)についてもアンケート項目に反映させる。 アンケート調査の概要の設計は第1フェーズにて行っているが、質問票の作成は本フェーズで実施する。最新のBITA-BPRモデルを前提にして質問票を設計する。質問の設計にあたっては、研究協力者を含め、国内外の有識者からの意見を伺い、質問票に反映させ、検証方法の詳細についても検討する。 アンケート回収率と回答内容の精度の向上のための回答先への電話による主旨説明は、引き続き行う。アンケートを送付してから回収までの間には、アンケート項目には盛り込まなかった詳細項目に関するインタビューの実施や、海外との比較分析作業を進めていく。 アンケート回収後は単純集計を行い、回答者にフィードバックする報告書の概要を作成し、1次分析を行う。その結果は、国際会議などの場で積極的に発表していく。 平成26年度の第3フェーズについては、第2フェーズで実施したアンケートの1次分析結果を検討し、国際会議の発表で得られたコメントなどを反映させて2次分析を行う。その結果や、企業への深掘りインタビューの結果などを反映させて本研究で提案するBITA-BPRモデルを完成させる。また海外との比較調査の結果も含めて総合的なまとめを行う。 また、アンケート回答者へのフィードバックのための報告書を作成し、謝礼とともに送付する作業も行う。 研究成果は2~3の切り口で発表を行う。国際会議で発表するとともに、学術論文誌の発表(1本)も想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度のタスクで最も大きなものはアンケートの実施であり、研究費の大部分を占める。具体的には、アンケート用紙・宛名ラベル・封筒(送付用・返信用)等の消耗品、印刷(質問票・送付用封筒・返信用封筒)、郵送費(質問票送付、返信用)などである。それに加えて若干の交通費(打合せや学会発表用)や会議費なども予定している。 また、アンケートの送付先名簿購入費用は24年度から繰り越しており、なるべくアンケート発送の直前に購入予定である。
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Research Products
(3 results)