2013 Fiscal Year Research-status Report
中国の新興市場における公開価格の過小値付けの要因に関する研究
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24530441
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
船岡 健太 九州産業大学, 商学部, 准教授 (30615357)
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Keywords | 新規株式公開 |
Research Abstract |
平成25年度は、主に創業板市場の新規株式公開におけるブックビルディング参加者の特性が過小値付けに与える影響に関する分析を実施した。これまでの先行研究では,機関投資家として一括りに分析が実施されており,証券会社や保険会社といった機関投資家の属性が過小値付けに与える影響に関する研究は進展していない状況にあった。 実証分析においては,保険会社のブックビルディングへの参加比率が過小値付けに対して有意なプラスの影響をおよぼしていることが確認された。この結果は,保険会社は新規公開企業の私的情報に関して他の機関投資家より優位である可能性を示すものである。 平成25年度における本研究費に係る発表論文は、「中国の創業板市場におけるアンダープライシングと長期パフォーマンスの関係」九州産業大学『産業経営研究所報』第46号(平成26年3月刊行)※文言氏との共著、および「中国創業板市場の新規株式公開におけるブックビルディング参加者がアンダープライシングにおよぼす影響」日本証券経済研究所『証券経済研究』第85号(平成26年3月刊行)※西村友作氏との共著、である。 また、The 14th Asian Academic Accounting Association Annual Conference(平成25年10月開催)において、The Determinants of Underpricing in the ChiNext IPOsの題目で研究報告を実施。証券経済学会九州部会(平成26年3月開催)において「中国創業板市場のIPOにおけるブックビルディング参加者の特徴」について報告(※西村友作氏との共同報告)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度においては、主に創業板市場の新規株式公開におけるブックビルディングに参加する機関投資家の属性がアンダープライシングの水準におよぼす基礎的な分析を実施した。この分析に関して、学会および論文において成果の公表も行うことができ、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度以降においては、平成25年度に基礎的な分析を実施したブックビルディングに参加する機関投資家の属性が過小値付けにおよぼす影響に関する検証を進展させる。今後においては、研究の進展を図るべく、過小値付けの水準により観測対象を分割して行う分析などを実施予定である。 また、先行研究で明らかになっている新規公開前のベンチャーキャピタル投資が過小値付けに与える効果が創業板市場においても観察することができるのかについても検証したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ整備が予想以上に順調に進んだことに伴い、データ入力をお願いしていたアルバイトの雇用時間を短縮したことによる。 新規の関連研究論文の取得費用に充当したいと考えている。
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