2013 Fiscal Year Research-status Report
環境及び経済パフォーマンスを同時追求する統合的グリーンSCMフレームワークの構築
Project/Area Number |
24530445
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (30290795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 保雄 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (70321487)
挾間 雅義 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 講師 (20609789)
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Keywords | 経営学 / 経営情報 / SCM / 情報共有 / 環境経営 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年多くの企業が取り組みを強化しているサプライチェーン上での環境配慮活動に関する企業間協力・連携(グリーンSCM)について、その効果的な構築・実現に向けての課題を検討し、環境負荷低減(環境パフォーマンス)と経済効率(経済パフォーマンス)の両者の改善・向上を可能にする統合的グリーンSCMフレームワークを構築することにある。そのため、本研究では企業間アライアンスと情報共有の問題を中心に分析し、グリーンSCMの実施に果たす情報ネットワークの役割の解明と、グリーンSCMの実施が企業パフォーマンスに与える影響を理論的・実証的に明らかにすることをめざす。そして、グリーンSCMの実施に効果的な企業間情報共有を支援するための具体的な情報システム構成の確立と提案をめざすものである。 本研究の2年目となる平成25年度は、前年度に引き続き、(1)グリーンSCMの現状分析と情報ネットワークの役割の考察、(2)グリーンSCMの実施と企業パフォーマンスとの関連分析、(3)仮説構築と質問票調査の企画・設計の3項目を中心に研究を進めた。なかでも(1)と(2)に関しては、企業におけるグリーンSCMへの取り組みの現状と動向を把握し、とくにグリーンSCM実施を契機とする企業間関係の変容について考察した。その結果、企業におけるグリーンSCMへの取り組み姿勢に影響を与える「利益貢献・価値創出」因子と「外部環境適応」因子ともに高い企業では、ともに低い企業よりも業務の見直しや改善が有意に進んでいることを明らかにした。一方で、取引先の選別・絞り込みについては「利益貢献・価値創出」得点の高い企業に特徴的な取り組みであることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、平成24年度に得られた研究結果をもとにして、質問票調査の実施とそのデータ解析・統計的モデリング、企業間情報共有の有効性に関するシミュレーション分析を中心に研究を進める予定であった。しかしながら、企業におけるグリーンSCMへの取り組みの現状と動向を把握してグリーンSCM実施を契機とする企業間関係の変容について考察する作業や、グリーンSCMの実施に果たす企業間情報ネットワークの役割の検討作業などに多くの時間を要したため、質問票調査の実施時期を先延ばしせざるを得なかった。また、サプライチェーン上の企業間情報ネットワークや各種の情報システムの構築や運用において、部分的なあるいは全面的な業務委託や提携などを行ういわゆるアウトソーシングにも研究の関心が広がりを見せつつあったため、質問票調査の実施に慎重を期す必要があったことも一因である。これらの理由から、研究目的の達成度は今年度の研究計画に照らし合わせてやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成26年度は、平成24~25年度に得られた研究結果をもとにして、統合的グリーンSCMフレームワークを構築していく。すなわち、(1)グリーンSCMにおける情報ネットワークの役割、(2)グリーンSCMの実施とパフォーマンスとの関連性、(3)グリーンSCMにおける企業間情報共有の有効性、(4)グリーンSCM実施に最適な情報システム構成などを総合して、環境および経済パフォーマンスを同時追求する統合的グリーンSCMフレームワークの構築をめざす。そして、構築したフレームワークは、実務家によるレビューなどを通じてその洗練化・一般化の度合いを高め、よりロバストなフレームワークとなるように検討を加えることを予定している。 研究代表者ならびに2名の研究分担者はいずれも同一の教育機関に所属しているため、連絡調整状況は良好である。また、これら3名の研究者は従前から共同研究を進めてきており、共著論文も発表している。このような3名の緊密な連携下において引き続き共同で本研究を推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「現在までの達成度」の項で述べたように、主に1年目の研究課題であったグリーンSCM実施を契機とする企業間関係の変容についての分析や、グリーンSCMの実施に果たす企業間情報ネットワークの役割についての検討などに本年度も引き続き傾注することとなった。また、サプライチェーン上の企業間情報ネットワークや各種の情報システムの構築や運用において、部分的なあるいは全面的な業務委託や提携などを行ういわゆるアウトソーシングにも研究の関心が広がりを見せつつあったため、質問票調査項目の検討には慎重を期すことにした。これらの背景により、質問票調査の実施時期を延期したことが次年度使用額が生じた大きな理由である。 次年度の研究費の使用計画は、以下に示すように大きく4つの項目を予定している。すなわち、(1)今年度に引き続きグリーンSCMや企業間情報共有、アライアンスやアウトソーシングに関する図書や資料(電子データ含む)の購入、(2)企業へのインタビュー調査や質問票調査の実施に関わる郵送料や旅費、謝金等、(3)データ解析・統計的モデリングやシミュレーションに必要なPCや周辺機器類、パッケージ・ソフトウェア等の購入、(4)本研究で得られた成果を随時国内外での学会等で発表し、また学術誌へ投稿するために必要な学会参加費や旅費、論文投稿料などである。
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Research Products
(6 results)