2012 Fiscal Year Research-status Report
アジア進出日系企業労務管理の異文化間職場摩擦への影響について
Project/Area Number |
24530447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大西 純 弘前大学, 国際交流センター, 教授 (60447109)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 異文化職場摩擦 / リーダーシップ / 働く動機付け / タイ・ベトナム・インドネシア / フィリピン・マレーシア / 在アジア日系企業 |
Research Abstract |
本研究は在アジア日系企業において、現地人従業員と日本人管理職との職場摩擦をリーダーシップ、国文化、雇用管理、人事評価、報酬制度、教育、働く動機付け等に関する現地調査から、解明し、その解決策を見出すものである。平成24年度は次のようなことを実施した。 1.本研究は在アジア進出日系企業で行われるアンケート調査の分析という形で行われるので、まずアンケート調査用の質問表作成を行った。質問表は現在広く使われているリーダーシップ調査用のオハイオ大学開発質問表、国文化についてはオランダ社会学者G.Hofstede開発質問表を双方許諾の上使用し、それに過去10年間の科研調査を通じて蓄積したノウハウを使ってその他の項目について独自の質問表を作成した。 2.質問表は日本語文に基づいて本年度調査実施予定であったタイ王国、インドネシア共和国、フィリピン共和国用にタイ語、インドネシア語、英語に翻訳した。 3.研究者の移動等があったため、結局調査についての協力・了解はインドネシア(PTインドネシアコンサルタント社)、タイ王国(バンコク日本人商工会議所、タイ王子製紙、304工業団地日系企業会)、フィリピン(フィリピン日本人商工会議所)等から得たが、実際の調査はインドネシアのみで終了した。他地域は25年度8-9月で実施でほぼ確定した。 今調査の分析はアジア地域以外で行われている調査と一体化させるために前述のリーダーシップ・国文化の分析についてはニュージーランドのオークランド工科大学内にある異文化センターで平行して分析することになり、24年度中にそのための諸手配は終了した。研究者は25年度中にその分析結果の取りまとめのためにオークランド工科大学に出張を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年3月31日付けで国立大学法人弘前大学を退職し、4月1日より公立法人横浜市立大学国際総合科学部に転職したため、質問表の翻訳とともに現地調査を行う予定であった対応がインドネシア1各国のみの実施となった。ただインドネシアは当初の予定に入っていなかったが著しい経済発展のもと、日本企業の活動が活発になってきており、日系企業の人的資源に関する今調査にとっては非常に有意義なものとなった。反面中国における反日感情の高まりのため、一時中国での調査を延期さざるを得なくなったことは誠に残念である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の対象となっているタイ、フィリピン、中国、マレーシアのうちタイとフィリピンについては平成25年8-9月に現地調査を実施することでバンコク日本人商工会議所、フィリピン日本人商工会議所と確認が取れている。ただ例年この手の調査では1回の商工会議所を通じての全体調査だけでは調査質問表に対する回答は十分なものを得ることができないので、そのフォローとして王子製紙タイランド、ニコンタイランド、東芝フィリピン等の大手個別企業にも平行して依頼している。マレーシアについては25年6月にマレーシアに赴任する王子製紙の重役から来年の調査協力の了承を得ているので来年度の実施となる。中国・ベトナムについては現在、実施方法を再度検討中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は研究者の所属機関の変更等によりタイ、フィリピンでの調査が行えず、次年度にずれ込んだために予算に残が生じた。残額は25年度予算とともに次のような形で使用する予定である。 1.インドネシア出張 研究成果発表 400,000円 2.タイ・フィリピン出張 調査サポート 500,000円 3.タイ、フィリピン調査諸経費 300,000円 4.タイ統計処理費 200,000円 5.ニュージーランド出張研究打ち合わせ 400,000円
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