2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国における対日オフショアリング事業の発展を支えるブリッジ能力・融合能力の研究
Project/Area Number |
24530449
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川端 望 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20244650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オフショアリング / 頭脳循環 / ソフトウェア産業 / 情報サービス産業 / ブリッジSE / 産業集積 / オフショア開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中国における情報サービス産業の対日オフショアリングを成功に導く能力の性質と,その形成過程を明らかにしようとするものであった。研究は,対日オフショアリングを中心に情報サービス産業が発展した都市である大連市を事例として,実態調査に基づく事例研究の手法によって実施した。 本研究は,大連市における対日オフショアリング事業においては,帰国人材の起業家,管理者,技術者としての活躍,すなわち頭脳循環が大きな役割を果たしていることを明らかにした。そして,大連と日本の関係は,日本が海外に対して開かれた国になり,自らの産業を高度化させながら新興国の経済発展にも寄与する先導的なモデルとしての意義を持つと位置づけた。この位置づけができたことは,当初予想を超えた成果であった。 より具体的な論点としては,対日オフショアリングにおいて活躍する人材が,しばしばブリッジSEと呼ばれることについて,4企業の事例に基づいて考察した。日中間での国境を越えた工程間連携は必須であり,そこで事業慣行のギャップを乗り越えることも必要である。しかし,調査の結果,そこでのコミュニケーションに専念する独自のポストとしてのブリッジSEを設けることが最適解なのではなく,むしろ,開発チームにおけるPM,PLが日本語を含むコミュニケーション能力を持っていることが,シームレスな連携に寄与することが明らかになった。 本研究では,査読付き学術誌掲載論文1本,中国の地方政府系シンクタンクが発行した年次報告書への中国語による寄稿1本,一般向け講演の全文記録1本,英文ディスカッションペーパー1本を公表した。さらに経済界と学界との共同によるセミナーを開催した。純学術的成果としては必ずしも点数が多くないが,実業界から学び,研究成果を実業界に発信するという相互交流を含めれば,学術的・社会的意義のある成果があがったと考えている。
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Research Products
(5 results)