2013 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォン市場における情報家電企業の国際競争力の構築ダイナミズム
Project/Area Number |
24530458
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20435457)
上田 昌史 京都産業大学, 経済学部, 助教 (10388423)
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Keywords | スマートフォン / 特許分析 / 自己組織マップ / テキストマイニング / 社会ネットワーク分析 / 国際比較 / ビジネス・エコシステム / 情報通信産業政策 |
Research Abstract |
本研究は、スマートフォン市場における協調・競争ネットワークや情報家電企業の戦略行動のダイナミズムを明らかにすることを目的とする。平成25年度の研究計画として、①理論レビュー、分析枠組みの検証、スマートフォン各社のデータベース構築、②特許分析・聞き取り調査によるスマートフォン産業や戦略の国際比較等を挙げている。具体的に、特許データベースに基づくスマートフォンメーカー各社の技術戦略の析出・比較、日本・韓国・台湾のスマートフォン産業構造及び政策の比較分析、関連プレイヤーの競争優位の分析等を行ってきた。 当該年度の研究成果は以下の通りである。まず、特許分析による技術動向の析出について、岡田・徳光・中岡・朴・陳(2014)は各社のイノベーション志向を明らかにした。第二に、産業構造・政策の国際比較において、陳・朴・上田(2014)は台湾スマートフォン産業のビジネス・エコシステムの現状や構築可能性について考察を行った。第三に、補完財提供者という視点からスマートフォン企業の競争優位性を探索した研究として、電子端末におけるコンテンツの統合と交渉力との関係を考察したUeda, Park and Chen (2013)の学会報告がある。海外実地調査として、2013年11月に陳・朴・上田が台湾のMediaTek Inc.、『數位時代』誌、資訊工業策進会の調査を実施した。 上記の研究成果の中間まとめとして、2014年2月15日に京都産業大学で韓国国会予算政策処評価官Jeong, Yuhoon博士を招聘し、The 8th International Conference on ICT Policyを開催した。ワークショップでは、Jeong博士に韓国の情報通信産業政策について講演していただき、そのほか、テキストマイニング分析から見るスマートフォン各社の研究開発の傾向、台湾スマートフォン市場の調査結果、日本のスマートフォンユーザーの需要調査結果などの報告を実施し、日本・韓国・台湾のスマートフォン政策をめぐって議論を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画はほぼ予定通りに実施した。平成25年度の研究計画は、①理論レビュー、分析枠組みの検証、スマートフォン各社のデータベース構築、②特許分析・聞き取り調査によるスマートフォン産業や戦略の国際比較等である。①は継続中である。②に関しては、2013年11月に台湾のスマートフォン市場の調査を行い、ヒヤリングの結果をワーキングペーパーにまとめて公表した。海外実地調査に加え、テキストマイニング分析によって得られた知見を学会で発表し、さらにワークショップを開催し、日本・台湾・韓国の戦略や政策について議論を深め、比較分析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
スマートフォン産業は非常に変化が速いため、本研究の進捗状況が影響されないように今後の推進方策は以下のように定める。まず、昨年度と同様にテキストマイニングと社会ネットワーク分析といった定量分析の手法に重心を置き、データの更新に随時留意する。次に、中国企業の躍進を受け、競争様態のダイナミズムを分析するのに中国企業への考察も視野に入れる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スマートフォン関連特許のデータベース構築に当たって、データ入力の実施のために予定していた研究協力者だけでは不十分であり、再度、代替者を確保する必要が生じたためであった。また、スマートフォン産業の変化が速いため、新たな調査対象が浮上し、詳細な調査を実施する必要性が高くなった。 使用計画として、データベースの構築に予定していた研究補助者より1名を追加雇用し、研究補助者謝金として1名による延べ50日分に当たる20万円を計上する。そのほか、海外調査の追加実施に20万円の旅費を計上する予定である。
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