2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530459
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
チョルパン アスリ 京都大学, 白眉センター, 准教授 (70511286)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ビジネス・グループ / 経営戦略 / 経営組織 / 開発途上経済 / 国際経営 / ヨーロッパ / 北アメリカ |
Research Abstract |
平成24年度においては、開発途上経済と成熟工業経済におけるビジネス・グループに関する体系的なデータ収集に注力して、予定された成果を上げることが出来た。この科研費の研究プロジェクトの最終目標は、あくまでも事実に依拠しながら、体系的なビジネス・グループの新しい理論を構築することであるが、この目標の達成のためには世界経済の中での異なる経営、経済環境の中でのビジネス・グループの実態を理解することが出発点として不可欠であると考えられる。その意味で、この科研費プロジェクトの初年度に体系的かつ理論的な分析に必要なデータが収集できたことは、プロジェクト全体の実証的基礎が確立できたことを意味しており、その意味で満足できる成果であると主張できる。 同時に、平成24年度においては、この研究プロジェクトの概要と意義を国際的に理解してもらい、同時にその内容とアプローチについての批判を仰ぐために、日本、海外の学会、研究会において研究発表を積極的に行った。南アフリカの世界経済史学会あるいは一橋大学で行った研究概要の報告については、ほぼ一様に前向きの評価をいただけたが、これも初年度の成果として突起しておきたい。さらに、関連する論考をトップレベルの国際学術誌であるCorporate Governance: An International JournalあるいはAsian Business and Managementに掲載できたことも大きな研究成果の公表として付記しておく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究プロジェクトの最終成果が英語を言語とする書籍であることはこの科研費の応募の際に明記したが、まずこの点での大きな成果として、平成25年度に京都でビジネス・グループに関する国際会議を実施して、それに基づいての書物がoxford University Pressから出版できる見通しがついたことは、初年度の大きな達成ポイントとして特記しておきたい。上記のように、この科研費プロジェクトの全体像が、データの体系的な収集の過程で見えてきたことを通じて、このような成果発表の目標が確立できたことは、明示できる成果として大きな意味を持っていると考えている。 さらに、国際的なレベルの研究成果の蓄積と同様の国際的な発表の機会として、Harvard Business Schoolのケース教材を引き続き公表していることを記しておきたい。同ビジネス・スクールにおいては、ビジネス・グループ、特にトルコのビジネス・グループについての関心は低く、これまでは全くケース教材も存在しなかったが、昨年度よりこの科研費の研究者が中心となって、トルコ最大のビジネス・グループであるコッチグループを初めとして主要グループについてのケース教材を執筆してきている。これも、研究の達成レベルが満足できる水準に達していることを示している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度から完成年度に至るまで、以下の3点の項目に注力したい。まず、平成24年度において収集した世界のビジネス・グループのデータを統一的に考察し、体系的に分析すること。これについては、従来の研究が焦点としてきた開発途上経済における経営環境とビジネス・グループとの関連についての分析だけにとどまらず、成熟工業経済におけるビジネス・グループを含めた包括的な考察を行っていきたい。第2点として、このような分析の過程で明らかになってくる基礎的なデータの不足を補うために、追加的なデータの収集を続けていきたい。この研究が実証的な根拠に基づく性格のものである限り、地道ではあるがデータの補強と充実は不可欠の研究プロセスであると考えているからである。第3点として、上記の2点を通じて明らかになるビジネス・グループの概要と理論的根拠を様々な機会を設けて公表していきたい。すなわち、上記の平成25年度に予定している京都における国際会議での発表だけでなく、可能な限り多くの国際会議で報告をする機会を持つことを目標として、イスタンブールでのAcademy of International BusinessあるいはウプスラでのEuropean Business History Associationでの報告が現時点で確定している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように、平成25年度においては、引き続きビジネス・グループに関する国際的なデータの収集を体系的に行う関係から、このための研究補助者への謝金と関連する旅費のために科研費の研究費の一部を用いる。また、同年度に予定している京都における国際会議の報告準備のための追加的な研究が多方面にわたって必要であり、このための研究費への支出を科研費の研究費から予定している。さらに、上記のイスタンブールでのAcademy of International BusinessあるいはウプスラでのEuropean Business History Associationでの国際会議での報告のために、旅費と滞在費が必要であり、このためにも科研費から関係する研究費を支出する。
|
Research Products
(10 results)