2013 Fiscal Year Research-status Report
ハイテクスタートアップの「起業プロセス」に関する研究(第2期)
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24530463
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
五十嵐 伸吾 九州大学, ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター, 准教授 (00403915)
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Keywords | 国際情報交換 / スウェーデン / アントレプレナーシップ / 起業プロセス / 起業機会 |
Research Abstract |
国内研究はアルプス電気盛岡工場のスピンオフを対象とするもの、IBM、リクルートの就業経験者の起業家を対象とするものの2つの研究を遂行している。アルプス電気盛岡工場からのスピンオフ研究に関しては、スピンオフした周辺状況を確認するために、岩手県庁、岩手県工業試験所、岩手大学などの公的機関に加えて盛岡工場の元部長にインタビューを行い、その結果を踏まえて日本経営システム学会で学会発表を行った。現在は論文を執筆中である。リクルートとIBMの就業経験者については、リクルートは今年度も4人のインタビューを行うことができた。IBM出身者の起業家を探すルートを確立するにに苦心している。一部のIBM出身者とリクルート、アルプス電気盛岡工場の調査結果を総合すると「起業プロセス」を進める、つまり、従業員の起業を促進する要因として企業文化や褒章制度に加えて、企業あるいは組織のおかれている状況が大きく影響を及ぼしていることを確認できた。 海外研究については引き続き、チャルマース工科大学(CUT:スウェーデン)のアントレプレナーシップ専攻の学生を追跡調査を継続している。CUT修士課程を修了後起業した起業家4人に新たにインタビューを行った。並行して、2013年6月に修了したばかりの学生の進路の追跡調査。今年度修士2年となる学生15人に対するインタビューを行い、教育の方法と起業プロセス、その後のスタートアップ企業の状況をまとめ、日本ベンチャー学会全国大会で学会発表を行った。並行してストックホルムの2大学(スウェーデン王立工科大学(KTH);ストックホルム経済大学(SSE))及びルンド大学を訪問し授業に参加するとともに研究協力を要請できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内研究についてはアルプス電気スピンオフの研究は総まとめの段階に入っている。リクルートの調査は計画通り進んでいるが、IBM出身者を対象とするものは対象企業確保に苦心している。 海外研究については前年度から引き続き、アントレプレナーシップに特化した大学・大学院の卒業生及び修了生を対象としたことによって、調査は軌道に乗っており、いくつかの知見も得られている
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は最終年度にあたるため、国内研究についてはアルプス電気盛岡工場のスピンオフは集大成として研究論文としてまとめる。その他2社については、IBM出身者については対象企業の確保に努めるが、むしろ調査ルートが確立しているリクルート出身者を中心に調査を充実させ、より異業種の相違点や共通点を確認する計画である。 海外研究については、信頼関係を築けたチャルマース工科大学に加え、ルンド大学、王立工科大学、ストックホルム経済大学の卒業生、修了生への調査を計画している
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外出張が調査大学との調整の結果、年度末(3月)をまたぐ出張となってしまったために出張費確定が遅くなってしまった。 今年度は最終年度に当たり、かつ次年度使用金額は5,170円と金額的には僅少であり、かつ、10月までに出張を終わらせるためにすでに調査大学とは調整を始めている
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Research Products
(2 results)