2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
宮下 清 大分大学, 経済学部, 教授 (50239399)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ホワイトカラー / 人材育成 / 職業能力 / 職業教育 / 公的資格 / 国際比較 / 国際情報交換(イギリス) |
Research Abstract |
本研究はホワイトカラーの職業能力の開発・育成について、経営学に基づく研究を行い、社会的に有益な提言につなげることを目的としている。具体的には、(1)ホワイトカラーに必要な職業能力の明確化、(2)企業と公的機関によるホワイトカラーの職業教育・訓練の現状と課題の把握、(3)欧米・アジア諸国でのホワイトカラーの職業能力の開発・育成の動向把握と分析、(4)今後のホワイトカラーの職業能力とその開発・育成のあり方の探索と提言である。 平成24年度は「探索的研究と調査準備」に取り組む年度と位置付け、ホワイトカラーの企業教育・職業教育の現状および関連する経営・戦略・組織、人事・教育制度についての文献とヒアリング調査を計画した。ここではそれに沿って実績についての概要を記したい。 まず職業教育や人材開発に関する文献を探索的に読み、教育学、国際経営論や産業政策を含めた広い領域からホワイトカラーの人材育成に関する理解を深めてきた。またヒアリング調査については従来のように企業だけを対象とするのではなく、多くの関連組織に対しての調査を実施してきた。とくに首都圏と国内地方都市(県庁所在地)における商業高校(4:以下カッコ内は訪問箇所数)、職業訓練支援センターおよび職業能力開発支援機関(7)、専門学校(3)、大学(4)、企業(4)、専門家・コンサルティング組織(5)を訪問(全27カ所)し、多様な情報収集を行ってきた。 学会報告等は早稲田大学TN-HRM研究会(2013.1)、日本産業教育学会(2013.2)において行い、これらの報告および質疑を通して、新たな知見、参考情報を得ることができた。以上、今年度は仕事をする力、人材育成に関わる多方面での探索的なヒアリングを重点的に行い、研究調査の枠組み、その対象や方法など今後の研究や調査を進める上で多くの重要な知見や情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホワイトカラーの職業能力開発の研究とのテーマに関連し、ホワイトカラーの人材育成、企業内教育、教育訓練、評価制度、資格活用等からのアプローチで研究、ヒアリング調査を行ってきた。そのため、商業高校、専門学校をはじめ、職業能力育成支援機関や専門家など、大学と企業を取り巻く多くの関係機関を対象にしたヒアリングを進めてきたい。これまでの知見、人脈(ネットワーク)、研究会やHP等を見ての直接依頼など様々なアクセスを試み、協力者を得るための継続的な努力を続けてきた。幸い、多くの関係の皆さまのご理解とご協力を頂き、当初の目標に沿ったヒアリング調査を実施することができている。以上の理由により、現在の達成度を順調な進展と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は昨年度(平成24年度)を引き続き、(1)ホワイトカラー教育訓練に関わる企業、学校、公的機関の現場・現状を明らかにすることと、(2)指標とする海外諸国(欧米:英・米・独・加・豪、アジア:中・韓・印・台・新)について、有力かつ参考になるホワイトカラー育成の実践・制度について明らかにすることを目標としている。 さらに、今年度(平成25年度)には「調査の実施」という大きな目標が掲げられている。これは昨年度のホワイトカラー教育訓練に関わる企業、学校、公的機関のヒアリング調査結果および文献による探索的調査の結果を踏まえてものである。そこで年度の前半、具体的には6月迄を目処に、昨年度の調査結果に基づく報告をまとめたい。そして、それを基盤として本年度に実施を予定する調査について、アンケート調査の目的、方法と対象などを明確にすることで計画していきたい。ヒアリング項目など調査内容の確定は、10~12月を、調査の実施は12月~平成26年1月と本年度後期での進行を予定している。 またホワイトカラーの職務、職務能力、その育成に関し参考となる諸外国(欧米:英・米・独・加・豪、アジア:中・韓・印・台・新)の状況理解を文献により進めていきたい。ただし調査を実際に行えるのは、今回の研究規模においては日本を含めた3~4カ国程度までと思われ、現段階では欧州大陸の情報も重要なため、ドイツかフランスを加えること、イギリスとアメリカはどちらか1カ国に絞り込むこと、またアジアの情報提供の拠点としてシンガポールを加えること等が考えられる。 以上のような国際比較調査については、英国オックスフォード大学およびSKOPE研究所のKen Mayhew教授、Howard Gospel教授、ウォーリック大学のAlan Brown教授らとの連係や協力も考慮しつつ進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成25年度)の研究費については、出張費が40万円、昨年度の未使用分を加えた調査費として80万円程度を見込んでいる。他に消耗品(新Note PC)と図書・雑費で20万円程度を予定している。 企業、大学、高校(主に商業高校)、専門学校、公的職業訓練機関など関連する組織にて情報収集は概ね終了として、次年度は国際比較を踏まえた調査の計画および実施に重点を移していきたい。とりわけ、調査の実施は各国の該当者のパネルを利用するため専門調査機関に依頼するため、この部分の費用が大きな割合を占めることとなる。
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Research Products
(4 results)