2014 Fiscal Year Annual Research Report
BRICsにおけるフォルクスワーゲンと現代の環境対応車の開発とモジュール生産
Project/Area Number |
24530467
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
朴 泰勲 大阪市立大学, 創造都市研究科, 教授 (50340584)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヨーロッパの自動車部品メーカー / 探索的研究開発 / ユーザーイノベーション / 特許データ / 韓国自動車部品産業 / 搾取的研究開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の内容:本研究はフォルクスワーゲンやルノーなどヨーロッパの完成車メーカーと取引をしているヨーロッパのプライヤーの環境対応車の開発イノベーションに及ぼす影響要因について特許データを用いて定量分析を行った。技術開発は探索的な研究(exploration)と搾取的な研究(exploitation)に分類できる。先行研究は探索的研究と搾取的な研究をバランス良く進めることでイノベーションの成果を向上できるとしてきた。しかし、本研究のデータ分析の結果からまず、探索的な研究はイノベーションの成果と非線形的な関係(マイナス二次関数)があることが確認できた。つまり、探索的な研究を増やしていくと、ある時点までは、イノベーションを促進する効果があるが、それ以上探索的な結果を継続すると、かえってイノベーションにかかるコスト増加と資源の分散により、負の影響があることが明らかとなった。また、搾取的な研究とイノベーションの成果は直接関係がないことが明らかになった。さらに、完成車メーカーが研究成果に関する成果を共有しながら、積極的に開発にかかわる場合、部品メーカーのイノベーションと搾取的研究の関係は非線形関係から線形関係へ変わることが明らかとなった。 研究の意義:これまでの先行研究は技術開発において探索的な研究開発と搾取的な研究開発がユーザーイノベーションとどのように結びついてイノベーションの成果に影響を及ぼすのかについてあまり明らかにしてこなかった。本研究はフォルクスワーゲンなどの部品メーカーの研究を通じてユーザーイノベーションと探索的的な研究開発と搾取的な研究開発がどのような相互関係を有しているのかを明らかにしたところに意義がある。
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