2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530470
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
平野 実 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (00405507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 在鎬 京都橘大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40342133)
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20435457)
姜 判国 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (50405510)
|
Keywords | 知識ネットワーク / 知識創造モデル / 社会ネットワーク分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,知識創造モデルを分析視角として,日本企業と韓国企業を対象とする実証研究によって,日本企業と韓国企業の知識ネットワークの実態を明らかにすることである。 平成25年度では,韓国企業と日本企業の知識ネットワークの動態的展開を明らかにするため,日韓の自動車企業の事例分析,社会ネットワーク分析を行った。当該年度の研究実績は以下の通りである。李(2013)の研究では,現代自動車グループの2010年までの成功要因を例証に,従来の組織能力を修正した枠組みを用いて,後発メーカーの知識ネットワークの再構築のプロセスを明らかにした。現代自動車の知識ネットワークの再構築のプロセスで重要な要因は以下の通りである。第一に,全社的なレベルでの「作り込みの上流化」(Total Front Loading)とも称すべき要因が強く見受けられる。第二に,知識資源(ナレッジ・キャピタル)の集約と共同利用(Pooling)とブランド差別化(Differentiation)のバランスである。第三に,モジュール化と同期序列生産システム(Just In Sequence)によって,自動車生産の仕組みを効率化し,品質確保を強化している。また,朴等(2013)の研究では,自動車メーカーの技術開発戦略について特許情報を利用し可視化することにより,各企業の知識ネットワーク戦略の特徴を明らかにすることを目的とした。具体的には,日本自動車メーカー大手3社におけるトヨタ自動車,日産自動車,本田技研工業の特許戦略の動態的展開を明らかにし,対応分析と自己組織化マップを用いて電気自動車・ハイブリッド技術に関する各社の技術開発戦略の可視化を行った.その結果,ハイブリッド技術開発に重点をおいているトヨタとホンダは活用型の知識ネットワーク戦略を,電気自動車の開発に重点をおいている日産は探索型の知識ネットワーク戦略を取っていることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,日本と韓国企業の知識ネットワークの動態的展開を,日本企業はトヨタ自動車,日産自動車,本田技研工業の特許戦略を社会ネットワーク分析で,韓国企業は現代自動車グループを事例研究で,各々明らかにすることができたため,研究の達成度を,「おおむね順調に進展している」とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度では,平成25年度より開始した質問票調査,分析を継続して実施する。高業績企業,および危機的状況から再生を成し遂げた企業の「知識ネットワーク」の全容を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
韓国企業を対象とした事例研究を25年度に行い,韓国企業を対象とした質問票調査を26年度に行うように変更したため,次年度使用額が発生した。 主に,韓国企業を対象とした質問票調査・分析および,日本企業を対象とした質問票調査の分析に使用する。
|
Research Products
(9 results)