2012 Fiscal Year Research-status Report
日米2極における医薬品研究開発マネジメント・モデルの探求
Project/Area Number |
24530478
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
高橋 義仁 専修大学, 商学部, 教授 (70409762)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 技術経営 / 研究開発マネジメント / 研究開発戦略 / 研究開発組織 / オープンイノベーション / 製薬企業 / 研究者裁量 |
Research Abstract |
本研究は、製薬産業研究開発プロジェクトの生産性に関する研究である。申請者が平成17年に日本で行った「医薬品研究開発マネジメント・モデル」の発展的修正を行うことを目的として、平成24年4月からの研究計画に従って研究を進めている。 研究に必要なプロセスは、(1)国内企業の医薬品研究開発の成功要因に関する質問票調査と詳細調査、(2)米国企業の医薬品研究開発の成功要因に関する質問票調査と詳細調査、(3)国内企業と米国企業の比較分析である。 成功要因の対象として、研究開発組織の外部資源活用指向性、研究における研究者自身の裁量、研究者のマーケット・アクセス力を主な仮説に想定している。オープン・イノベーションによる研究開発の歴史が長い米国における研究のありかたと国内企業の相違点を明確にする。方法として、質問票による調査とインタビューによる詳細分析により当初目的に資する研究を行う。 平成24年度は、国内企業を対象とする研究として、国内の高度研究開発型製薬企業の研究開発マネジメント業務に携わるマネジャーへの質問票調査とインタビューにより、研究開発のスタイルやポリシーと研究成果の関係に関する情報を入手した。また、米国企業を対象とする研究として、医薬品研究開発の成功要因に関する資料収集および米国の研究者および産業界のアドバイザーとの面談により、本研究の全体枠組みに関するアドバイスを聴取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の主な活動として、国内企業を対象とする研究として、高度研究開発マネジメント業務に携わる製薬企業マネジャーに平成24年6月22日、7月13日、11月11日にインタビューを実施した。また、米国企業を対象とする研究として、5月15日~17日にStrategy and Competitive Intelligence Professionals(SCIP)幹部との面談、5月18日~19日にハーバード大学研究者との面談、10月31日~11月2日にMIT研究者との面談を行い、研究の枠組みに関するアドバイスを聴取した。 平成24年度の研究成果の発表活動としては、本研究計画着想の源となった過年度の研究成果と今後の疑問点(本研究で実施)に関する報告を、平成24年8月に国際学会で行った。また、本研究に関連する研究開発ポリシーの予備的事例研究に関する報告を、平成24年9月に国内学会で行った。後者については論集への発表も行った(公表準備中)。 交付申請書に記載の計画との相違について、計画よりやや進んでいる部分とやや遅れている部分が混在しているが、全体としておおむね順調に推移している。やや進んでいるのは米国企業を対象とする部分であり、平成24年予定分を終え、平成25年予定の米国研究者との意見交換を一部行った。やや遅れているのは国内企業を対象とする部分であり、成功要因に対する質問票調査の入手が計画していたペースより若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究の推進方策を、国内企業対象分と米国企業対象分の2方向から記載する。 国内企業対象分としては、質問票による回答の入手を拡大する。問題点は対象者の確保であるが、このためにウェブ・アンケートによる質問票調査の手法を構築する。これについてはすでに検討をすすめており、SurveyMonkey社のシステムを利用してサイトの仮構築を行っている。平成25年度は、30回答程度を目標に依頼を進める。 米国企業対象分としては、2つの方策を実行中である。第1に、国内と同様に質問票による回答の入手を実施する。国内企業と比較して米国企業は、企業の研究開発活動の層が厚いことから、本研究での学術的価値が高い資料が多く存在するものと想定できるが、調査対象へのアクセスの難しさや文化の違いから、実施に対する難易度が高い。その壁を突破すべくこれまで準備を進めてきており、SCIP会員から対象者を設定し、これを実施できる見込みを得た。手法については、SurveyMonkey社のシステムを利用し、英語でのアンケート用ウェブサイトを構築することを検討している。今後の必要に応じては、Pharma Competitive Intelligence Comfarenceでの情報入手を追加する。(2)別方向からのアプローチとして、これまでに研究協力者である元ベーリンガー・インゲルハイム社研究所長のMartha Matteo氏から、旧来の製薬企業では研究の成功に至らないながらもベンチャー企業では次々に成功をおさめている企業研究者の紹介を受けた。これについては紹介をいただいた研究者にインタビューの同意を得るに至っていないため、さらに依頼を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は予定していたPCの置き換えについて、ウィンドウズシステムの新製品発売により安定したシステム構築について不安があったため、これを見送っている。更新時期の是非を見極めたうえ、適切な時期と考えればこれを実施する。 また、「研究の推進方策」に記載した計画を実行するために、(1)国際学会出張および海外調査出張を実施する。また、(2)ウェブサイト構築、英文サイトの構築のための英文チェック、システム・メインテナンスに費用が発生するため、これにも有効活用する予定である。
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Research Products
(7 results)