2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国におけるCSR(企業の社会的責任)の研究―中央企業の取り組みを中心に―
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24530482
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
酒井 正三郎 中央大学, 商学部, 教授 (10138612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中国 / CSR(企業の社会的責任) / 中央企業(中企) / 地方国有企業 / 民営企業 / 外資企業 / (中国)企業経営者 / (中国)一般市民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国企業のトップランナーである中央企業(中央政府機関である「中国国有資産監督管理委員会」の直轄下にある国有企業で、略称は央企。国の基幹産業部門を担っており、実質的な経営支配権は中国共産党が握っている。2015年末時点で107社。)のCSRへの取り組み状況を調査することによって、移行期中国のCSRの特質と構造について考察するものである。 その際、央企以外の中国企業(地方国有企業、民間企業、外資企業等)の経営者のCSRに対する向き合い方、および一般市民のCSRに対する見方を同時に調査し、それぞれの特徴を摘出して央業のそれとの比較を行う。そして以上の考察を通じて央企という企業形態の独自性、特殊性をあぶり出し、そこで行われているCSRとは一体どのようなものかということを明らかにしようとしたものである。いずれの調査もアンケート(Questionnaire Survey)とヒアリングの方法で実施し、実証分析を行う予定であった。 ところが、2012年の日本政府の尖閣諸島国有化に端を発した日中関係の極度の悪化により、政府(党)直属の中央企業の反応は非常に厳しいものになり、日本人研究者への協力は基本的に期待できないような状況が生まれ、2015年度に至るも両国間関係の基本的な改善は見られていない。 そこで、央企のCSRについては文献・資料を中心とした定性的な研究とする一方、企業経営および一般市民向け調査は予定どおりアンケートによって行った。回収サンプル数は企業経営者向けが112通、内有効回答は104通、一般市民聞けが436通、内有効回答は392通であった。 日本人の研究者による中国のCSRに関するこのような大規模な調査はこれまでになされたことがなく、その意義・重要性はきわめて大きなものがあると考えられる。
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Research Products
(5 results)