2013 Fiscal Year Research-status Report
質的分析に基づいた中小企業の連携能力構築に関する研究
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24530489
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
稲垣 京輔 法政大学, 経営学部, 教授 (10327140)
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Keywords | 質的研究 / 経営組織 / リエゾン / 企業家 |
Research Abstract |
上半期については、企業家研究の言語論的・実践論的転回に基づいた先行研究の整理と分析枠組の構築、および具体的なフィールド ワークに先立ってリサーチメソッドの整理をおこない、経営組織論、社会学を中心としたジ ャーナルに基づいた文献サーベイを実施した。 また、これら文献レビューを総括しリサーチメソッドをブラッシュアップする機会として、11月に同じ研究テーマに関心を寄せる研究者との間で研究会を開催した。 フィールド調査については、年度毎に定点観測をおこないながら、本年度と来年度に関してはリエゾン組織にフォーカスし、2つの地域の対象にアクセスした。 1大阪地域に集積するクリエイティブ系中小企業と製造業の間をとりもつ行政傘下のプロデュース組織による関係開発と連携関係構築のプロセス、2イタリア・ベネト地方におけるサービス産業と製造業を結ぶ大学による関係開発を通じて、オープン・イノベーション型の事業システムを確立する上の制度設計の経緯 についてインタビュー調査をおこなった。また、イタリア・モデナ地方でのフィールドワークを追加的におこない、バイオメディカル関連企業を主体としたスピンオフの連鎖とコモ地域における絹産業の再活性化における産学連携にフォーカスし、オープン・イノベーション型 の事業システムを確立する上の制度設計の経緯 についてインタビュー調査をおこなった。 後者のフィールドリサーチの成果として、『京大論叢』への論文の投稿が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒアリング調査に関しては対象が変わり、リエゾン組織における連携の重要性が増しており、その調査をおこなう上での二次資料の収集と人脈の形成に時間を要している。そのため、研究成果の報告をベンチャー学会などでおこなう予定であったが、今年度は達成することができなかった。中小企業間の連携プロセスについての調査を再開し、来年度もフィールドワークを継続しながら成果を提出していく予定である。 研究成果の中間報告については、年度内に完了したイタリアのモデナ地域におけるバイオクラスターの形成と協業関係について、京大論叢に投稿を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査については、継続調査が主体となる。大阪市が支援するクリエイティブ ・クラスターの形成 に対する広告制作クリエイターと製造業、行政との連携における事業創造プロセスを中心に、ヒアリング調査を継続したい。さらに、 イタリアのベネト地方やボローニャ地域における製造業とサービス業の企業間の協働関係を促進した要因について追加的なヒアリング調査をおこない、 産業集積や地域中小企 業における学際的なアプローチで研究を展開する予定である。申請者は学術的な交流を目的としながら、来年度もイタリアのボローニャ大学、パドゥバ大学において、研究打ち合わせの機会を持つ予定である。また、 研究成果の中間報告については、本年7月にロッテルダムで開催予定のヨーロッパ組織学会での報告の上で、法政大学イノベーション研究センターでのワーキングペーパーに投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用残額は、3月30日に執行しているものの、事務処理が4月に入ったため、次年度使用額として計上された。 すでに年度内に使用済みである。
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Research Products
(1 results)