2012 Fiscal Year Research-status Report
現場からサービスを創新するコミュニケーション手法の開発と汎用化・体系化の研究
Project/Area Number |
24530491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
阪井 和男 明治大学, 法学部, 教授 (50225752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 健 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90599565)
内藤 隆 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50600946)
尾上 正幸 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90599573)
小林 広尚 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00600941)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワークショップ / 収束発散思考 / 談話分析 / リバーサル理論 / 交流分析 / ワールドカフェ |
Research Abstract |
営利・非営利のサービス提供組織における価値創造の源泉であるサービス現場からサービスを創新(イノベーション)するためのコミュニケーション手法として提案している「交流制約法」の実証実験をワークショップ形式で年間で計10回実施した。 交流制約法は、一般的な創造技法である発散収束思考とは反対の収束発散思考のプロセスをたどることが最大の特徴である。実証実験をつうじて取得したデータの談話分析による解析やアンケート分析から、交流制約法において課題提起者の満足度を規程する要因が明らかとなった。 具体的には、ワークショップ前半の収束思考フェーズにおいて、課題提起者が「不快」の感情(不安、焦りなど)を抱き、続く発散思考フェーズで「快」の感情(楽しい、気持ちが楽になったなど)を抱くパターンをたどる際は課題提起者は高い満足度を感じる。反対に、この「不快→快」のパターンが出現しない場合は、課題提起者のワークショップへの満足度が低い。この現象に関して、心理学の「リバーサル理論」を用いた説明を試み、感情の反転ダイナミクスは,コネクショニストモデル(PDPスキーマモデル)を拡張した連想型スキーマモデルによるカオス的遷移によってシミュレーションできることを示した。 これらの成果により、交流制約法の理論的裏付けと方法論の精緻化が進展し、次年度以降に業界業種をより広げた方法論の適用、実証実験を進めるための準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画で立案していた内容にほぼ沿って実証実験・検証作業を通年で実施することができ、方法論の理論的な土台を築くための知見を取得することができ、平成25年度の研究実施計画を進めていく上で支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実施した談話分析、アンケート分析に加えて、ワークショップ中の課題提起者の生理学的データ(心拍数変動、ストレス変動など)を新たなに取得し、より詳細なデータ解析を実施するとともに、実証実験の範囲を広げ、サービス現場に導入可能な汎用モデルと組織開発の方法論の構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・実験機器(心拍数計、指尖脈波計、ビデオカメラ等)購入 30万円 ・旅費交通費(実証実験、研究発表等) 30万円 ・書籍 5万円 ・専門的知識の提供 10万円 ・成果発表会 5万円
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Research Products
(13 results)