2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様性をいかす行動実践とその開発プロセス―ポジティブアクションを組織成果に繋げる
Project/Area Number |
24530495
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷口 真美 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (80289256)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人材の多様性 / ダイバーシティ / 経営成果 / リーダーシップ / 女性管理職 / フォールトライン / インクルージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様な人材をいかすリーダーの行動実践とその開発プロセスの解明を目的としている。最終年度である平成26年度は、引き続き、1)既存の調査研究のサーベイ、2)定量分析(大量サンプル調査)、3)定性分析(ヒアリング調査)、4)海外の研究者からの情報・資料収集を実施し、研究のとりまとめを行った。 定量分析(1社に対する大量サンプル調査)では、次のようなことが明らかになった。安心して意見を提起できる風土(心理的安全の風土)が高いチームは、職場成果が高まっていた。性別と役職によるフォールトライン(サブグループの分断)や、勤続年数と役職によるフォールトライン(サブグループの分断)が強いチームでは、包括的なリーダーシップが職場成果を高めていた。つまり、サブグループの分断には、メンバー個々の意見やアイディアの実現をめざすリーダーの行動がよりいっそう重要であった。 定量分析(上場企業に対する大量サンプル調査)では、次のようなことが明らかになった。トップの変革型リーダーシップがあったとしても、取締役会のフォールトライン(サブグループ)の分断が強いと、組織的な多様性の取り組みを阻害する。 定性分析(1社のトップマネジメント、人事担当者、リーダー、職場のメンバーへのヒアリング調査)では、創業当時からの全プロジェクトを対象に、時系列で、プロジェクト特性、メンバー特性、リーダーシップ、成果について調査を行った。タスク複雑性が高いプロジェクトについては、直にメンバーに働きかけプロジェクトを実現していくリーダーシップが成果を高めていた。一方、タスク複雑性が低いプロジェクトでは、モニタリング管理しつつ、メンバーに部分的に任せるリーダーシップスタイルが成果を高めていた。リーダー自身の自己認識およびトップ・人事担当者が個々のリーダーの強みと弱みを把握したうえでの配属が、プロジェクトの成果向上のカギとなっていた。
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Research Products
(5 results)