2013 Fiscal Year Research-status Report
経時的モデリングとシミュレーションによるソフトウェア産業国際技術戦略の設計
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24530497
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
角埜 恭央 東京工科大学, メディア学部, 教授 (20376817)
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Keywords | 技術戦略 / 社会調査 / 統計分析 / シミュレーション |
Research Abstract |
日本のITベンダーは、ユーザー企業の要求水準の高度化、日進月歩の技術革新への対応、中国・インド等の新規参入者との競争・協調などの経営課題を抱えている。しかし、ソフトウェア技術戦略を構想するための実証研究は限定的に行われている。そこで、経済産業省/情報処理推進機構(METI/IPA)と共同してSE度調査(SEはソフトウェア・エンジニアリングを表す)を実施し、日本のITベンダのソフトウェア構築能力(以下、SE度:資源ベース論と因子分析等により、アウトプット力、プロジェクト管理力、品質管理力、プロセス改善力、開発技術力、人材育成力、顧客接点力の7因子から構成)を測定した一連の研究成果に基づいて、本研究では競争環境とSE度・経営力の経年構造解明のための実証研究とシミュレーションにより、ソフトウェア産業の国際技術戦略設計の指針を示す。 平成25年度は、平成24年度に引き続き、動的共分散構造モデリングを用いて、ITベンダがSE度を駆使して短期的収益性のみならず、成長性・安定性を含む中長期的な経営力を改善するメカニズムの実証研究を進めた。また、ソフトウェア産業構造のシミュレーションの要件を考察しながら、大規模な社会調査であるSE度調査と統計分析とシミュレーションを接合する方法論についての考察結果を発表した。また、SE度調査以来の研究成果を総括しつつ、海外の産学の場で公表しながら、日本のソフトウェア産業と諸外国の比較検討のための情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動的共分散構造モデリングを用いた競争環境とSE度・経営力の経年構造の実証分析、SE度調査と統計分析とシミュレーションを接合する方法論、国際比較などについて、論文誌への投稿・掲載、国際学会での基調講演、書籍のとりまとめなどを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、最新の財務データを補完した上で共分散構造モデリングを用いた競争環境とSE度・経営力の経年構造に関する実証分析を進める。 同時に、国際比較分析およびシミュレーションによる産業成長シナリオの可視化を継続する。さらに、大規模な社会調査と統計分析とシミュレーションを接合する方法論について考察を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度までの未使用累計額を当該年度の実支出額で補うことができなかった。 次年度は、物品費(電子機器等の約30万円)、旅費(3回程度の海外出張を含む約90万円)、研究協力への謝金(開発支援・英文校閲等の約40万円)、その他(学会参加、データ購入等の約50万円)を使用する予定。
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Research Products
(7 results)