2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・ベンチャーにおけるソーシャルキャピタルと経営戦略の比較実証研究
Project/Area Number |
24530507
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
松永 佳甫 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60325561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
奥山 尚子 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80617556)
松島 みどり 大阪商業大学, 総合経営学部, 助教 (20634520)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会的企業家精神 / リーダーシップ / ソーシャルキャピタル / NPO / 公共サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
営利組織形態をとる社会的企業および非営利組織形態をとる社会的企業のなかでも公的補助金や民間助成金に大きく依存せず事業収入により組織運営を図る社会的企業(事業型NPO)は、組織の持続可能性の頑健性が期待され、公共の高いサービスを政府に代わり供給する主体としての重要な役割が期待されている。本研究の目的は、このような社会的役割が今後益々向上すると考えられる社会的企業のリーダーに対してアンケート調査を行い、組織を担う次なる社会的企業家を育成する方法を探求すべく、社会的企業を率いるリーダー(設立者など)のリーダーシップ特性を明らかにしようとしたものである。 この調査では平成23年度終了の基礎研究(c)(課題番号21530425)で行ったアンケート調査から学んだ改善策を反映させ、調査項目の精査およびマークシートの回答形式を採用した。その結果、回収率が飛躍的に向上させることができた。サンプルサイズの拡大は分析結果の頑健性を高めるため意義深い。 この調査の結果を用いた定量分析が明らかにしたことのうち、最も重要なものは「リーダー有する社会的企業家精神とソーシャルキャピタル力の間には正の関係がある」というものである。社会的企業にヒヤリングを行うと、その多くが組織を率い次世代のリーダーを育成する方法が見当たらず、社会的企業を設立者の多くが自分1代限りと感じている。そして自分に勝るとも劣らない社会的企業家精神に富む人材を育成することができないことを組織の持続可能性を担保するうえでの大きな脅威と感じている。つまり、次世代のリーダー的立場になる社会的企業家を育てるカギは、その者のソーシャルキャピタル力をどれだけ育成することができるかということであることを本研究の分析結果は示唆している。社会的企業におけるソーシャルキャピタル力とリーダーシップ力との関係性を更に詳しく探ることが次なる研究課題である。
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Research Products
(11 results)