2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530510
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 祐治 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (70456747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
メッセイ デヴィッド 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (50294244)
杉野 文俊 専修大学, 商学部, 准教授 (50407631)
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Keywords | 国際研究者交流 / キャプティブ / 保険 / 経営 / リスクマネジメント / リスクファイナンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、「キャプティブを通じてのリスクファイナンスが英米の企業に比べてなぜ日本企業に浸透しないのか?」との研究課題を、マクロ的なアプローチとミクロ的なアプローチの2つのアプローチで、3つの仮説を実証分析することにより検証する手法で解明しようとするものである。平成25年度の計画では、研究目的に必要なデータ収集を完了することを計画していた。本データ収集はほぼ予定通り終了しているが、時間の経過に伴う、データの補正が少々必要であることが判明した。また、既に入手したデータによる仮説検定の実証分析を行った。具体的には以下の分析を行った。①キャプティブ設立の有無、形態と経営項目(動機、戦略、意思決定スタイル、評価基準、担保リスク、株主構成、保険会社との関係)との相関。②キャプティブ設立の財務内容との相互評価。③キャプティブ経営の健全性の精査と経営手法の評価。④親会社のキャプティブ戦略と設立地(法制度、税制度、優遇制度)との整合性評価。⑤マクロ的な定量的・定性的評価。⑥複合ポアソン損害モデルを使った、モンテカルロ・シミュレーションによるキャプティブの正味現在価値評価である。また、これらの成果は国際学会発表や論文出版、さらに保険毎日出版社より書籍としての発刊を行うことによりアウトプットを発信することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業のリスクマネジャー、キャプティブマネジャー、ドミサイルの監督官庁とのインタビューを計画通り行うことができ、その結果内容と公表データとの整合性を精査、分析することにより課題考察を深めることができたのが主な理由である。また、New Yorkにおいては、St. John's大学の図書館利用とデータアクセスの利用ができたことも研究の進展に貢献した。その結果、それらのミクロのデータとマクロのデータを基に有効的、効率的に仮説検証を実行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、入手したデータによる仮説検証、シミュレーションによる分析を継続する。そして研究課題の検証結果を、外部に積極的に発信していく。具体的には、①リスク学会において論文発表を行う。②発表論文の学会誌への投稿を行う。③研究成果を関西学院出版社から書籍として刊行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度のデータ入手として予算計上していた金額よりも、実際にかかった経費が少なかったために少額であるが残金が生じた。 次年度のデータ入手と、学会報告のための旅費の一部として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)