2013 Fiscal Year Research-status Report
消費者受容性を高める環境コミュニケーション制度のあり方に関する研究
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24530518
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西尾 チヅル 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (80241769)
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Keywords | 消費者行動 / 環境マーケティング / 環境コミュニケーション / 環境ラベル / エコロジー行動 / 東日本大震災 |
Research Abstract |
本研究はエコプロダクトの普及・浸透、さらには、消費者の価値観やライフスタイルを地球環境保全型へと変換させることに貢献しうる環境コミュニケーション制度のあり方を、環境ラベルを対象に検討しようとするものである。具体的には「課題1.エコプロダクト受容性の背後にある消費者行動の解明」、「課題2.既存の環境ラベリング制度の評価と消費者受容性の観点による課題の抽出」、「課題3.消費者受容性とその継続性を高めるコミュニケーションの要件と展開方法の検討」の3つの研究について行う。 平成25年度は課題2に関する研究を行った。具体的には、エコマーク、省エネラベル、カーボンフットプリント等の第三者認証型あるいは政府主導型で制度化されてきた代表的な環境ラベリング制度の仕組みについて情報収集し、課題等を整理した。また、昨年度から着手した「環境ラベル商品に対する消費者の選択行動の規定要因の解明」、および、それに対して「状況要因としての東日本大震災の体験の影響の有無」について多面的に分析した。その結果、環境ラベル商品の受容性は、エコロジー関与、有効性評価、性能不安(-)、コスト労力評価(-)、ベネフィット評価、実行可能性評価、社会規範評価によって規定されること、特に、家族や友人等の準拠集団の規範の影響が極めて高いことが確認された。また、震災後、エコロジー関与は総じて低下していること、商品受容性の規定要因は震災前後で不変であるが、商品への評価は震災体験や個人特性間で異なる等の知見が得られた。この成果は日本商業学会で発表し、査読付き学会誌に掲載されることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、本年度行うべき課題のうち、環境ラベル商品の受容性に関する研究は実施し、その結果を学会発表すると共に、査読付き学会誌に投稿し採択される等の具体的な成果が得られた。一方で、マーケティングコミュニケーションツールとしての環境ラベルの課題については、次年度引き続き検討することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度完了できなかった課題「マーケティングコミュニケーションツールとしての環境ラベルの課題」については、次年度早急に事業者に調査を実施し、問題点の抽出と必要な対応について整理を行う。その上で、課題3および完成年度として研究の総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実績の概要で述べたように、本年度行うべき課題のうち、環境ラベル商品の受容性に関する研究は実施し、その結果を学会発表ならびに査読付き学会誌に投稿し採択された。その成果のとりまとめに多くの時間を要したため、マーケティングコミュニケーションツールとしての環境ラベルの課題については調査研究にまで至らなかった。 本年度完了できなかった課題「マーケティングコミュニケーションツールとしての環境ラベルの課題」については、次年度早急に事業者に調査を実施し、問題点の抽出と必要な対応について整理を行う。その上で、課題3および完成年度として研究の総括を行う予定である。したがって、申請時に計上した次年度分の使用計画については特に変更はない。
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Research Products
(7 results)