Outline of Annual Research Achievements |
日本,韓国,中国,インドネシア,パキスタン,アラブ首長国連邦,ブラジル,アルゼンチンで自動車市場および自動流通に現地調査を実施した。自動車メーカー,ディーラー,整備工場,中古車販売店,商社,解体工場,リサイクル部品販売店,中古車オークション,中古車小売情報提供業者,自動車流通に関わる行政機関,各国の自動車工業会や自動車販売店協会などを取材調査し,研究目的に沿った視角に基づいて,それらの国の国際比較をおこなった。 一つの発見事実は,これらの国は人口1000人当たりの自動車保有の点では,日本600台,韓国400台,アラブ首長国連邦700台と大きいが,他の国は中国100台,インドネシア60台,パキスタン20台,ブラジル200台,アルゼンチン220台と小さく,モータリゼーションが遅れている。 そうしたモータリゼーションの発達度合いの相違に応じて,自動車流通システムも異なるが存在する。日本や韓国,アラブ首長国連邦では,自動車メーカーをフランチャイザーとする自動車フランチャイズシステムが整備され,新車販売のみでなく,整備工場機能を備えた,いわゆる3Sディーラーのネットワークが構築されている。他方,インドネシアやパキスタン,アルゼンチン,ブラジルでは,上記の3Sディーラーも存在しているが,そうでない新車販売のみのディーラーも多く存在する。 もう一つの発見は,新車販売を(1)新規購入,(2)代替購入,(3)増車購入,と三つに区分した時に,1000人当たりの保有台数が60台よりも低い国では新規購入比率がきわめて低く,その後,保有台数が増大するにつれて新規購入比率が高くなり,1000人当たり保有台数が300台を超えると,逆に新規比率が減少する事実である。
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