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2012 Fiscal Year Research-status Report

市場におけるミクロ・マクロ・ループに注目した考慮集合の周期的変動メカニズム

Research Project

Project/Area Number 24530527
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

熊倉 広志  中央大学, 商学部, 教授 (10337826)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords考慮集合 / 消費者行動の周期的変化 / コスト・ベネフィット・アプローチ / ミクロ・マクロ・ループ
Research Abstract

平成24年度においては、考慮集合のサイズが周期的に変動する現象を消費者調査データにより観察した後、先行研究を発展させ、当該現象を説明する概念モデルを構築した。
まず、考慮集合として消費者が一定期間に購買した製品数を考え、購買履歴データを用いて考慮集合のサイズを測定した。具体的には、観察データについて季節変動を除去した後、傾向変動を分離し循環変動を抽出した。このとき、パッケージ財6市場について、考慮集合のサイズが周期的に変動することが示された。
次に、当該現象を説明する概念モデルを構築した。モデルは、以下の二つから構成される。すなわち、(1)消費者は、意思決定から得られる成果(ベネフィット)とコストをバランスするよう考慮集合のサイズを決定するモデル(コスト・ベネフィット・アプローチ)と、(2)ミクロ構成員(消費者)が、他の構成員(消費者や企業)・市場に影響を与え、それがさらに自分自身に影響を与えることにより、自身の行動を漸進的・周期的に変化させるモデル(ミクロ・マクロ・ループ)である。
既存研究では、主に要素還元主義に依拠し、個人の内面に照射する研究などがなされてきた。一方、市場は、多数の消費者や企業(ミクロ構成員)が自由に活動するマクロ・システムである。このため、マーケティング現象を正しく理解するには、ミクロ構成員の振る舞いやその相互作用が、どのようにマクロ・システムを変容させるのか、同時に、マクロ・システムが、どのようにミクロ構成員の振る舞いを変容させるのかを考察する必要がある。要素還元主義に依拠し消費者個人の内面に照射したコスト・ベネフィット・アプローチを、ホーリズムに依拠する自己組織性理論によって拡張することにより、個人の行動変化をマクロ・システム全体の変容から説明(ミクロ現象をマクロから説明)しようとする点で僅かながらも意義があるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画である(1)考慮集合のサイズが周期的に変動する現象を消費者調査データにより観察すること、(2)先行研究を発展させ、当該現象を説明する概念モデルを構築することを概ね実現できたことによる。一方、(1)については方法上も課題も指摘できる。そこで、平成25年度においては、24年度に実施したデータ観察を、方法を変更した後に再度実施する予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度においては、観察データにより考慮集合のサイズが周期的に振動することを示した。ただし、データの制約などから観察期間が十分とは言えなかった。そこで、今後は、(1)まず、データフュージョンなどの方法を用いて、考慮集合のサイズの測定期間を延ばしたい。これにより、周期的変動をより的確に把握できるだろう。
次に、概念モデルに依拠し、(2)市場をマクロ・システム、消費者・企業をミクロ構成員と捉えたエージェント・ベース・シミュレーション・モデル(ABSモデル)を構築する。そして、計算機実験により、ABSモデルから観察データに合致するデータを生成する。もし、ABSモデルから観察データに合致するデータを生成できるならば、当該モデルは考慮集合のサイズが周期的に変動するメカニズム(のひとつ)を示していることになる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度においては、観察データをさらに精査した後、概念モデルを実装したい。そして、成果を学会等にて発表・議論したい。このため、データ分析、プログラミング、計算機実験などを行うためのパーソナル・コンピュータが必要となる。また、プログラム作成補助・修正補助・実行補助のための若干の人件費・謝金が発生するかもしれない。さらに、国内および海外での学会発表や打ち合わせのための旅費が発生する。なお、宿泊費・日当等は、国内外とも大学が定める基準に依拠する。これらの他、英語論文の投稿に際して、英語校閲費用が発生する見込みである。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 中央大学商学部熊倉研究室ホームページ

    • URL

      http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~kumakura

URL: 

Published: 2014-07-24  

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