2014 Fiscal Year Research-status Report
市場におけるミクロ・マクロ・ループに注目した考慮集合の周期的変動メカニズム
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24530527
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
熊倉 広志 中央大学, 商学部, 教授 (10337826)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 消費者行動の周期的変化 / ミクロ・マクロ・ループ / コスト・ベネフィット・アプローチ / 考慮集合 |
Outline of Annual Research Achievements |
ここでは、考慮集合(個人の意思決定に際して、最終的な選択対象となるブランドの集合)に含まれるブランド数(考慮集合のサイズ)が、時間経過に従い周期的に増減する現象を指摘した後、そのメカニズムを考察する。具体的には、まず、(A)コスト・ベネフィット・アプローチにより、個人の内的変化(考慮集合の変化)を考察する。同時に、(B)ミクロ・マクロ・ループに注目し、個人(ミクロ構成員)の考慮集合の変化による市場(マクロ・システム)の変化(ミクロからマクロへのループ)、および市場の変化による個人の考慮集合の変化(マクロからミクロへのループ)に注目することにより、市場全体(マクロ・システム)の変化を考える。すなわち、個人の意思決定が他者や市場に影響を与え、さらに自身に影響を与えることにより、自身の行動を周期的に変化させると考える。
具体的には、パッケージ財市場から得られたデータを用いて、個人の考慮集合のサイズが周期的に振動する現象を示した。また、コスト・ベネフィット・アプローチおよびミクロ・マクロ・ループに依拠した概念モデルを提示した後、市場をマクロ・システム、個人・企業をミクロ構成員と捉えたエージェント・ベース・シミュレーション・モデル(ABSモデル)を構築した。そして、計算機実験により、ABSモデルから観察データに合致するデータを生成させた。このとき、生成データは観察データに概ね一致したものの、必ずしも十分とは言えなかった。そこで、今後は、データのクリーニングとモデルのチューニングを実施する予定である。これにより、観察データにより合致したシミュレーション・データを生成することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れているとした理由として、計算機実験によりモデルから生成したデータは、観察データに概ね一致したものの必ずしも十分とは言えなかったことが挙げられる。今後は、データのクリーニング、モデルのチューニングなどを実施することにより改善を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、観察結果および概念モデルに依拠して、ABSモデルを実装した後、計算機実験により観察データに合致するシミュレーション・データを生成することを試みてきた。生成データは概ね観察データに一致したものの、必ずしも十分とは言い難かった。そこで、観察データのスクリーニングとABSモデルのチューニングを行うことにより、改善を図りたい。もし、ABSモデルから観察データに合致するデータを生成できるならば、当該モデルは考慮集合のサイズが周期的に変動するメカニズム(のひとつ)を示していることになる。
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Causes of Carryover |
平成26年度においては、最終成果発表および意見交換のため海外の学会に参加する予定であった。しかしながら、研究方法等を改善・精緻化することにより、更に良い研究成果が得られると思われるため、より良い研究成果を導出すべく、研究方法の若干の修正を行うこととした。これに伴い、最終成果発表のための海外旅費・国内旅費・英文校閲費などにおいて未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、当初の計画通り、研究方法の更なる改善のためのプログラム修正補助・実行補助、および最終成果の発表のための海外旅費・国内旅費・英文校閲費などに充当する予定である。
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Research Products
(6 results)