2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530530
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
久保田 進彦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10340184)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マーケティング / ブランド / リレーションシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
ブランド・リレーションシップの形成について、段階性という観点を組み込みつつ、明らかにすることを目的に検討を行った。具体的には、①既存研究の確認、②消費者調査、③ブランド・リレーションシップの形成プロセスの概念モデルの構築という3つの作業を組み合わせるかたちで行った。 ブランド・リレーションシップの形成段階の顧客に着目したところ、ある特定のブランドと一定の強度のリレーションシップを形成している顧客には、そのブランドとの出会いや関係が深まった時期を記憶しているタイプの消費者(タイプ1)と、(当該ブランドとの出会いを明確に記憶していないものの)そのブランドの間にいつの間にかリレーションシップを形成しているタイプの消費者(タイプ2)が存在することがわかった。 調査結果に基づくと、これらの異なる複数のタイプの消費者を生み出す要因として、自己概念の水準(個人的自己・関係的自己・集合的自己)とブランド・リレーションシップの心理的ベネフィット(自己表現・自己拡張)の組み合わせ、ブランドの特徴(ブランドのアイデンティティないしは世界観)と自己との関係のタイプ(類似的・補償的)が存在するようであった。さらに覚醒的なブランド経験(新鮮な驚きなど)ないしは蓄積的なブランド経験(長期間にわたるブランド接触など)の存在も明らかになった。 また持続段階にある消費者に着目したところ、ブランド・リレーションシップを高水準で維持しているタイプの消費者(タイプa)、中程度の強度で維持しているタイプの消費者(タイプb)、一度はブランド・リレーションシップが形成されたものの、持続せず衰退してしまったタイプの消費者(タイプc)が存在することがわかった。定性的調査を中心に検討を進めた結果、3つのタイプの消費者間には、上述した諸要因の組み合わせパターンの違いが存在するようであった。
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Research Products
(3 results)