2013 Fiscal Year Research-status Report
ユーザー創造製品の複合的市場効果に関する理論的・実証的研究
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24530535
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
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Keywords | マーケティング / ユーザー・イノベーション / クラウドソーシング / 共創 / 自然実験 |
Research Abstract |
本年度は、初年度に作成された実験計画を基に、実際の店舗において自然実験を行った。具体的には、①先行研究調査、②学会での情報収集・打合せ、③自然実験の実施という、大きく3つのステップで進めてきた。 まず、①関連の先行研究調査については、初年度から引き続き実施してきた。ユーザー創造製品の市場効果に焦点をあて、最新のユーザー・イノベーション研究をレビューすると同時に、社会学・心理学など社会科学の基礎分野の研究動向にも目を配り実験の方法論を整理してきた。 次に、同じく②関連学会での情報収集・研究打合せについても、初年度から引き続き実施してきた。近年、関連分野の研究が活発であり、出版前の最新研究にも絶えず目を配る必要があるため、英国ブライトンで開催された関連学会OUI workshop 2013(Open and User Innovation Workshop)に参加し、最新の研究内容を確認してきた。さらに、同学会に時期を合わせて研究協力者や、海外の研究者との研究打合せを実施し、普段のメールでの議論では充分にできない深い議論を行い、仮説設定や実験計画を作成した。 最後に、③自然実験の実施を行った。まずは、①②のプロセスを経てブラッシュアップされた実験計画を、再度、協力企業と共有した。その計画に基づいて、両開発手法の表示有りPOPと無いPOPを、過去の売上データをもとにランダムブロックデザインによる店鋪の割り付けを行い、POPを掲示した上で、両手法で開発された菓子を実際に販売した。こうして、当該菓子の各店鋪の売上データや、店舗環境などコントロール変数となりうるデータを入手した。なお、研究協力者と議論した結果、より研究成果を発展させるため、協力企業の承諾のもと次年度に新たなカテゴリーで自然実験を再度実施することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の本年度のメインの計画は、自然実験を実施することであった。具体的には、①先行研究調査、②学会での情報収集・打合せ、③実験の実施という3つのステップであった。 現在までの状況としては、それら3つのステップを実施することができた上に、成果を発展させる新たな実験を計画し進めることができた。そのため、当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、次年度は、本年度の自然実験の分析および整理を行うという当初通りの計画と、新たなカテゴリーでの第2回自然実験の準備と実施するという追加計画を行う。なお、研究を遂行する上での課題は、現時点では特にない。具体的な推進方策として、①先行研究調査、②実験データの分析、③第2回実験計画、④第2回自然実験の実施という、大きく4つのステップで進める。 まず、①関連の先行研究調査については、新しい研究が都度公表されているので、今後も継続して実施する。次に、②実験データの分析を行う。対象製品の売上データをはじめ、店舗環境などコントロール変数となりうるデータもとに分析を行う。③第2回実験計画を作成・打合せを行う。研究協力者と共に、計画を作成し、実施企業との詳細な打合せを実施する。最後に、④第2回の自然実験を実施する。計画をもとに、両手法で開発された新たなカテゴリーの製品を実際の店舗に投入し、自然実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
自然実験にかかる費用を、実験実施企業が一部負担してくれために、本年度の使用額が減少した。 次年度に、追加して実施することとなった第2回自然実験のために、使用することとする。
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Research Products
(9 results)