2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国市場における日本企業のグローバル・カスタマイゼーション戦略
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24530537
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
方 斌 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (20350746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 晃典 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20296742)
川島 哲 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (70329366)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グローバル・カスタマイゼーション / グローバル・マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本事業の最終年度にあたる平成26年度の研究目的は、中国市場に対して日本企業がいかにして進出するかという現実的な課題に関連して、一定の成果を得ることにあった。具体的には、前年度までに構築して国際学会において評価を得た理論モデルを経験的にテストするために、中国市場における日本企業のマーケティング活動に関する貴重なデータを収集し、また、そのデータを解析して英文論文にまとめ、国際会議に投稿して査読を経て学会報告権を得、学会にて報告を行うことによって、再び審査員および聴衆からのフィードバックを得ることであった。 まず、理論モデルを整序して調査仮説を設定したのちに、計画どおり、中国市場において製品をカスタマイズする日本企業の取り組みに関するデータを収集するために、中国市場において日本の自動車を販売しているディーラーを対象にして、インタビュー調査ならびに、インタビューを通じての定量データの収集を行った。さらに、データを解析し、その結果を英文論文にまとめ、投稿・査読を経て国際会議で発表した。 その研究の知見は、以下の通りである。すなわち、日本市場においては高度なカスタマイゼーション・システムを導入して個々の顧客の細かな嗜好に応えるカスタム製品を供給している自動車産業であるが、中国においては、大衆車については初めて自動車を手に入れたいという基本的なニーズが、また、高級車についてもより高級な車種の自動車を手に入れたいという基本的なニーズが満たされることが優先される結果として、細かな部品のカスタマイゼーションが実施されにくいというものであった。顧客のニーズに合わせて製品をカスタマイズするだけでなく、カスタマイゼーション・システムをカスタマイズすることの重要性を含意するこの知見は、グローバル・マーケティング研究と、カスタマイゼーション研究の双方の視点から一定の評価を得ることができた。
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