2014 Fiscal Year Annual Research Report
流通チャネルの企業間関係における「協調と対立」及び「統合と分離」
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24530539
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 祥 中央大学, 商学部, 准教授 (10554321)
原 頼利 明治大学, 商学部, 教授 (30366900)
久保 知一 中央大学, 商学部, 准教授 (40376843)
高田 英亮 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (90508631)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マーケティング・チャネル / 機会主義 / チャネル構造 / ガバナンス / 取引費用 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究内容な次の二つである。第1は、機会主義のタイプ(作為/不作為)と取引依存度、及びそれらの交互作用が、取引成果に与える影響を検証することが目的である。サーベイの対象としてはホテル・旅館とネット・エージェントとの関係に注目した。近年、宿泊業界の予約率に占めるネット・エージェントの比重は高っており、一部の大手エージェントによる手数料の引き上げなどがメディアにも報じられるなど、チャネル関係のおける機会主義の影響を検証できる格好の対象である。機会主義の概念に関しては、取引費用分析を用いた多くの研究で検証されてきたが、その類型を細分化することによって、取引相手の反応に関してより深い洞察が得られることが期待される。特に本研究では、関係への満足度、Hirschmanのフレームワークを援用した行動的反応(離脱・発言・忠誠)、及び顧客への対応という多次元の成果変数を調査設計に取り入れた。 第2の研究は、チャネルにおけるGhosh&John(1999)によって提唱されたガバナンス価値分析(GVA)の諸命題を日本のチャネル文脈で実証することを企図している。取引費用分析を用いた既存のチャネルが取引の特性(資産特殊性・不確実性など)とチャネル統合の問題を検証してきたのに対して、本研究では両変数の整合度がチャネル成果に及ぼす影響、及び、企業の有する資源の特性との整合度を分析の射程に入れている。 第1の研究ではシナリオ法を利用した調査票(2X2=4パターン)を、年度末にホテル・旅館業界のランダム3000社に対して、第2の研究に関しては製造企業3000事業部に対してそれぞれ発送した。2015年4月末現在、前者は約20%以上、後者は15%前後の回収率である。現在はコーディング作業を行っており、当初の計画よりやや遅れてはいるが、コーディングが終わり次第研究会を開催し、仮説の検証作業に入る予定である。
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Research Products
(13 results)