2014 Fiscal Year Annual Research Report
わが国で使用されるトレード・タームズ(貿易定型取引条件)の地域別時系列的比較研究
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24530541
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉田 友之 関西大学, 商学部, 教授 (80210706)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 貿易商務 / トレード・タームズ / 貿易慣習 / インコタームズ / 準拠規則 / 貿易実務 / 国際取引 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の地方に所在する中小貿易業者が使用するトレード・タームズ(貿易定型取引条件)の使用実態を明らかにするために、平成24年には大阪府地域に所在する貿易業者、平成25年には大分県地域、愛媛県地域、熊本県地域、宮城県地域に所在する貿易業者、平成26年度は徳島県地域、香川県地域に所在する貿易業者を対象にアンケート調査を実施した。 その結果、以下の研究成果を得た。 ①トレード・タームズの使用動向・・・「使用経験のあるトレード・タームズ」として在来船向けのタームズが依然として最も高い使用頻度であった。過去の航空機向けのタームズであるが現行のインコタームズ(トレード・タームズに関する解釈規則)で削除されたタームズが現在でも使用されていた。一方、コンテナ船・航空機など向けのトレード・タームズは低い使用頻度であった。 ②適正なトレード・タームズの使用方策・・・現行では適正なトレード・タームズを知っていながら使用しない場合が多いことが再確認された。この是正策は貿易業者が適正なタームズの使用を相手方に打診することである点を明らかにした。 ③トレード・タームズの使用上の留意点・・・トレード・タームズを使用する際には、その解釈の相違から商事紛争が生じないようにその解釈規則を売買当事者で合意しなければならない。しかし実際には、貿易業者は「どの規則にも準拠していない」場合が極めて多いことを明らかにした。 以上の研究成果は、地方に所在する貿易業者が円滑な貿易取引を行うための留意点ならびに方策を明らかにした。これは、既存の貿易業者にとっても新規参入の貿易業者にとっても有用となるもので、ひいては地方経済の活性化に資するものと確信する。
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