2012 Fiscal Year Research-status Report
消費者視点のカテゴリー・マネジメント:品揃え形成の視点から
Project/Area Number |
24530544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
高橋 広行 流通科学大学, 商学部, 講師 (00580325)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カテゴリー・マネジメント |
Research Abstract |
本研究は,小売業における基本的活動である「品揃え形成」と最適な売場レイアウトを含めたカテゴリー・マネジメントのあり方を消費者の視点で 明らかにしようとするものである。 上記の目的を受けて平成24年度は,(1)文献レビュー,(2)消費者へのインタビュー調査,(3)優良企業へのインタビュー・海外の店舗視察といった研究を進める予定にあった。 まず,(1)文献レビューは,いくつか進めてみたものの,品揃えやカテゴリー・マネジメントに関する論文において,消費者視点で研究されてきたものは少ないことがわかってきた。また,個々のカテゴリーに対する消費者の意識も異なることから,本格的な(2)の消費者へのインタビュー調査を実施する前に,既存データを分析し直すことで,カテゴリーに対する態度や意識,知識の違いを明らかにし,「消費者視点のカテゴリー・マネジメント」という論文にまとめた。 さらに,(3)優良企業へのインタビュー・海外の店舗視察については,9月にアメリカサンフランシスコを中心とした先進的な食品スーパー(例えば,Nugget market,Whole foods,Trader Joe's,Safeway,Walmartなど)を視察したことで,品揃えのあり方や売場レイアウトによる個性の演出を学び,成功している優良企業へのインタビューとして,食品スーパーの北野エースをはじめ,岡山の小売企業やフェアトレードのアパレル小売企業などの役員や店長様にインタビューを実施する機会を得たことで,商品施策や品揃え管理の技術,オペレーションを含めた売場作りのあり方が明らかになりつつある。 それによって,売場全体として最適なカテゴリー・マネジメントと品揃えのあり方を理解しつつある段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市場の実態を把握するという目的達成において,アンケートデータ分析により消費者のカテゴリーに対する理解を明らかにできつつあること,また企業の取り組みや先進的な事例を確認してきたことで,売り手の行動も明らかになってきている。 こういった現状の研究経過から,おおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度において実施してきた3つの研究(文献レビュー,消費者インタビュー,成功事例)を通じて整理された要因と,そこで詳細にした選択肢を用いて定量的な調査を実施する。パワー・カテゴリーを把握するための定量調査におけるプリテストあるいは実験室実験を行い,それらを踏まえた上で本調査を定量アンケート調査で実施するという2段階の調査設計を予定している。 (1)プレ定量アンケート調査 定量アンケートにおけるプレ調査を1回設定する予定である。定量アンケートの場合はドラッグストア,食品スーパーの業態ごとに100サンプル回収する予定であり,本調査に向けての選択肢として用いる予定である。実験室調査の場合は,20人程度を仮想実験室店舗に呼び,実際の店舗に模した場所で品揃えに対する認識を確認する。この際にアイ・トラッキングによるデータを収集することで視線の流れを測定した上で本調査へのヒントとし,最終的には棚の写真(現在4パターンを想定)を撮影し,次の本調査に進む予定である。いずれのプレ調査を実施するのかはもう少し調査設計を詰めてから決定する予定である。 (2)本調査:定量アンケート調査 本調査は定量アンケート調査行う。その構成は,異なる棚のパターンを4つ提示することで,陳列の違いによる効果を後ほど比較検討できるように設計したもので行う予定である。代表性に関する配慮は,20代から60代までの男女を対象とし,人口構成比に配慮して回収する。インターネット調査を用いる予定である。分析にはIBM SPSS社の構造方程式分析用ソフト(Amos)を用いながら,品揃え要因と消費者の知識としてのカテゴリーとの関連,およびパワー・カテゴリーの位置づけや役割との関連を考慮しながら検証していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,プレ調査(あるいは実験室実験)として300千円,その回答データをテキストマイニングしていく場合のコード化作業として,大学院生への謝金合計204千円(1日6.8千円×30日:作業員1名あたり)を計画している。 定量アンケート調査は合計1,040千円(①の調査単価1.3千円×800サンプル)を予定している。分析作業を進めるにあたり,データ準備と整理作業補助として大学生への謝金204千円(1日6.8千円×のべ30日:作業員1名あたり)を計画している。書籍や資料などの文献費用として250千円ほど,合計200千円を使用する予定である。
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