2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530546
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
磯野 誠 鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (50550050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 准教授 (40318647)
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Keywords | 新製品アイデア開発 / アナロジー / 視覚化 / 創造性 |
Research Abstract |
本研究2年目であるH25年度には、次の3点をおこなった。 (1)前年度(H24年度)に実施した、アイデア開発におけるアナロジーと視覚化活用の効果についての実験調査からの知見を、H25年度の5月に商業学会にて報告した。その内容をまとめた論文原稿をこのH26年度6月に投稿する予定にしている。また実験に伴い得られたアイデア群に対する評価をまとめたものを、商品アイデア開発の教材として出版化した。 (2)前年度(H24年度)におこなった、本調査に関連する先行研究レビューをまとめたものと(新製品開発上流段階の問題、デザインの問題、創造性の問題に関する研究)、以前におこなったケース分析をまとめ、「新製品コンセプト開発におけるデザインの役割」として出版化した。また前年度におこなった先行研究レビューを、別途進めた研究に活かし、2013 Cambridge Academic Design Management Conferenceにて報告した。 (3)H24年度の実験(実験1)より、アイデア開発において視覚化を活用することは、創出されたアイデア創造性の実現に効果があることが示された。そこでH25年度では、その視覚化活用について、どのような視覚化のときにより効果があるのかを実験により調べることとした(実験2)。そして:(3-1)先行研究において、アナロジーの活用、さらに多様性あるアナロジーの活用が、より創造性の高いアイデア実現に効果があることが示されていることに依拠し、多様性ある視覚化の活用が、より創造性の高いアイデア実現に効果があるのではないかという仮説を立てた。(3-2)その仮説をもとに、アイデア開発における視覚化活用について、その視覚化多様性とその創出アイデアの創造性実現に対する効果についての実験調査を、鳥取環境大学経営学学部生およそ150人を対象として実施した。 H26年度は、その調査結果を分析し、知見を投稿論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研調査全体として、当初は実験1調査(アナロジーと視覚化の効果の検証)とサーベイ調査1(実験1調査知見の企業開発者による開発への拡張可能性検証)を計画していたが、初年度(H24年度)に実験1を終えた後、サーベイ調査に進むよりも、実験1の延長として、視覚化の効果の検証に絞った、実験2を進めることとした。そして前年度(H25年度)では実験2の実施部分を終えることができた。その分析、および知見のまとめは最終年度(H26年度)に進める予定としている。 また調査知見の報告について、初年度H24年度に実施したアイデア開発におけるアナロジーと視覚化活用の効果についての実験1調査からの知見は、計画通りH25年度の5月に商業学会にて報告した。そしてその内容をまとめた論文原稿をこのH26年度6月に投稿する予定。 さらに本調査のための先行研究レビューをまとめたものと、以前におこなったケース分析をまとめ、出版化した。 また、実験2調査からの知見は、分析後、このH26年度中にまとめ、論文投稿を計画しているが、実験自体は終えているため、計画達成は可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度H26年度には、前年度(H25年度)に実施した、実験2(アイデア開発における活用視覚化多様性と、それにより創出されるアイデア創造性の実現に対する効果について)の結果を分析し、その知見を投稿論文としてまとめる。 また、その内容を、H27年度に開催される商業学会全国大会において報告する。 また、H24年度とH25年度におこなった実験結果知見を、花王、サントリー、ネスレ、マンダム等のメーカー企業の開発担当者に直接報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度H24年度に行った本研究関連分野(新製品開発上流、デザイン、創造性の問題に関する研究)の先行研究レビューと、以前に行った、別のしかし本研究と関連するケーススタディとを合わせ、H25年度に出版化を行った。その出版費用のために、H25年度分の予算に加え、(H25年度中に出版化するため)H26年度の費用を前倒ししたが、前倒し申請時の見積額より実際の発注額が安価であったため、多少の執行残が発生した。 本年度H26年度は、(1)前年度におこなった実験2調査の分析、知見のまとめを行う。そのために必要となる共同研究者とのミーティングにかかる旅費、分析のためのデータ処理にかかるアルバイト料、論文作成にかかる費用等のために出費することを予定する。また、(2)前年度までに実施した実験1と実験2調査知見を、メーカー企業の開発担当者へ報告する。従ってそれにかかる旅費のために出費することを予定する。
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