2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530546
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
磯野 誠 鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (50550050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 文 立命館大学, 経営学部, 教授 (40318647)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新製品開発 / 市場機会 / アイデア / 創造性 / 視覚化 / アナロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新製品アイデア開発における創造的視覚化の活用が、全く新しく意味のある製品アイデアの創出と市場機会の特定に結びつき得ることを、実験およびサーベイ調査により実証的に示すことを目的とした。 本研究H24-25年度においては、新製品開発研究のうちの市場機会特定段階に関するもの等のレビューを行った上で、知見探索の余地があると考えられるアナロジーと視覚化の活用が創造的なアイデア創出にもたらす効果について、アイデア開発実験調査(実験1)によって調べた。その結果、アナロジー活用と視覚化活用はそれぞれ独立して、アイデア創造性を構成する一要素であるアイデア新規性実現に効果がある可能性が示された。しかしアイデア創造性を構成するもう一要素であるアイデア有意味性実現に対する効果は確認されなかった。 H26年度においては、実験1の知見を拡張すべく、実験2として、視覚化活用と複数アイデア創出が、創造的なアイデアの創出にもたらす効果について、アイデア開発実験調査によって調べた(サーベイ調査ではなく実験を行うこととした)。その結果、視覚化活用と複数アイデア創出も、それぞれ独立してアイデア新規性実現に効果がある可能性が示された。しかし実験1と同様、アイデア有意味性実現に対する効果は確認されなかった。 本研究の知見とは、先行研究においてケーススタディなどで言及されつつも示されてはこなかった、新製品アイデア開発における視覚化活用の、アイデア創造性実現に対する効果を、アナロジー活用、複数アイデア創出等と関連されつつ、実証的に示したことである。この知見は、新製品アイデア開発をより効果的に進め、新市場を特定しようとするときの具体的な開発アプローチの一つとなり得る。今後の研究課題として、実験をより厳密な実験デザインのもとで行い、この知見の妥当性を確認することがあげられる。
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